2011年 01月 31日
岡北
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岡北
OLYMPUS E-420



朝寝を決め込んだ平蔵が
寝床を抜け出したのはもうとおに昼を過ぎた頃であった
長官の職を退いてからというもの
時間の観念が乱れ切っている平蔵であった

 「岡崎へ行く」

と言い残し
ぶらりと京の町へ出た
三条通から岡崎道を北へ上り
動物園をすぎたあたりにその店はあった

店内は広く落ち着いた雰囲気で
うどん屋というより
ちょっとした料理屋の雰囲気だ
昼を大きく過ぎていたが店内はそこそこの客入りだった

先の味味香では「甘きつね」と言ったが
岡北は「甘ぎつね」と濁る
どちらかというと濁る方がそれらしくて

 「旨そうな響きだ」


平蔵は思った
これは大いに期待が持てる

待つこと十数分
平蔵の前に甘ぎつねカレーうどんが運ばれてきた
これはうまそうな・・・


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甘ぎつねカレーうどん
(店内照明の影響で実際の色と異なる)
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まず出汁を一口・・・

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平蔵の表情が曇った
これは

 「いかぬ」

見た目よりサラッとして
ちょうどいい塩梅のとろみだが
何度も言うように
カレーうどんとは印度と邪馬台国の融合である
これは

 「印」が勝っておる

というより

 「邪」が負けている

つまり
早いハナシが
削り節やイリコの香りがない・・・
のであった


たしかに名店だけあって
麺は絶妙のコシと円やかさを合わせ持ち
揚げの甘味の含ませ具合も申し分ない
しかし
出汁の力が弱い
惜しい


店の接客は申し分ない
居心地の良さに驚く
うどん屋でここまで丁寧な店は初めてである
大阪にはまずない応対だ

このつぎは是非にも

 「ここのきつねうどんを食べてみたい」


思う平蔵であった



++++++++++++++++++++++++++++++++++



【オマケ】 平安神宮



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平安神宮
OLYMPUS E-420



平安神宮は修学旅行が必ず来る場所だ
案の定
一校だけだったが居た
先生らしきが生徒に

 「神宮と付く神社は天皇を祀ってるんだよ」

という説明をしていた
生徒は余所見してだれも聞いていなかったが
これは間違っている
生徒がだれも聞いていないとはいえ
間違ったことを教えてはイケナイ

平蔵は思った


 「おみくじ引きます」
 「どうぞ、筒から一本棒を引いてください」
 「引けませんねんけど」
 「それ反対向きです、わかっててやったはるんでしょ」
 「わかりますか?」
 「だいたいわかります、ほんで子ぇのとかゆお思たはるでしょ」
 「わかりますか?」
 「わたしらそんなん慣れてますから」
 「あ、そうですか、六番です」
 「はい、六番ですね、どうぞ」
 「あららららー」
 「どうしたんです」
 「ちゅ、ちゅ、中吉です」


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中途半端な中吉



 「ゆうときますけど、それスカちゃいますからね」
 「まだなんにもゆうてませんけど」
 「どうせゆわはるんでしょ」
 「まあそうですけど」
 「ここね、修学旅行やら来たら何千本おみくじ引いていくんです」
 「へぇ」
 「そんなもんね、いちいちまともに相手してられませんよ」
 「そらそうですわな」
 「中吉、けっこうやおまへんか」
 「はぁ・・・」
 「凶が出たら文句いいなはれ」
 「そうですか」
 「そうですよ」

おこられてるがなもぉ

by ikasasikuy | 2011-01-31 04:26 | カレーうどん改メ | Comments(8)
Commented by ladon at 2011-01-31 11:19 x
こんだは、京都徘徊らうじんですかえ?!屁伊臓さん。きゃうとれきつねかれーうろんの味比べ、神社で巫女さんいじり、宜しな、きゃうとのおなごは、なんぼでも痛めつけても当局は一切関知しないといふか拍手喝采です・・・京女、男の一部でI嵐I野のオッサンじゃにたいする恨みは孫末代まで消えませんじゃ・・・。ほんで内のカレーライス・はたまたライスカレーの出汁はコンソメの他に鰹出汁を使います。セイロンいやスリランカ風の味になります。鰹節は日本だけやのうて、インド南端部やスリランカでは製造及び食しておりますようです。よって次の日に嫁が必ず作るカレーうどんは当然カレーうどんであります。
Commented by ikasasikuy at 2011-01-31 12:41
ladon師匠
そうでんにゃ
だいたい京都でゆっくりでけるんは
この時期ぐらいですわ
もうじき梅が咲いて桜が咲いてして
気候がどんどん良ぉなってきたらもうあきまへん
修学旅行がうじゃらうじゃら現われますねや
あのガキどもの傍若無人ぶりには太刀打ちでけまへんで
なんせ相手は大群、多勢に無勢
せっかくこっちが町家の情緒を写真に撮ろ思ても
雰囲気ぶち壊しやがな
和訳茶ですわ
そらそーと
>京女、男の一部でI嵐I野のオッサンじゃにたいする恨みは孫末代まで消えませんじゃ

どゆことです?
よぉわかりまへん
いっぺん詳しぃに説明しとくなはれおねがいします

ほんで
掏摸乱花は鰹節で出汁とってますんか
知りまへなんだ
Commented by ゾン at 2011-01-31 19:06 x
あ~やっぱりこのカレーうろんにもあげさんが入ってるんや。

さぶがりのボキには夏のカレーうろんより冬のカレーうろんに
食指が動きます。
Commented by ikasasikuy at 2011-01-31 21:44
ゾンさん

大阪のカレーうどんは
天ぷらやらトンカツやら
ゴテゴテしたんが合うねけどね
京都はやっぱりおあげさんや

>さぶがりのボキには


ゆうとくけど
さぶがりでは負けへんで
なんせまだ今年になってからいっぺんも
魚釣りに行ってへんねんから
ほんで

>夏のカレーうろんより冬のカレーうろんに食指が動きます


そんなもんあたりまえやがな
カレーうどん改方のころは
仕事やさかい夏でもカレーうどん食べてたけど
カレーうどんはやっぱり冬に食うもんやで

そうゆうたら
ゾンさんといっぺんもカレーうどん食べに行ったことないなー
こんど
大阪でいっちゃん旨い店連れてったるわ

Commented by ken-G at 2011-01-31 22:10 x
え? え? え?

平蔵殿、いつの間にご隠居なされたんですか?
まだ現役かと思ってましたが。。。

ん~、しかし京都にも美味しそうなカレーうどんがありますね。
機会があれば食べてみたいです。

そういえば・・・
どこかで「カレーうどん専門店」の暖簾を揚げている店を見かけたんですが、忘れてもうた・・・。
思い出したら行ってみます。
 
Commented by ikasasikuy at 2011-01-31 23:31
ken-Gさん
じつはこれ原作通りで
市中が平穏安泰になったことで
一旦は長官の職を解かれるんです
ところがその機を狙って潜んでいた悪党どもが暗躍をはじめ
また長官に返り咲くということになってます
まあ
予定は未定で定かではないですが
大阪は喰いだおれ
京都は着だおれ
ていいますけど
食べ物の「味」は京都の方がはるかに繊細です
ただし
大阪の大胆な味も捨て難い
とまあ
こうゆうことでしょう
ほんで
関東でカレーうどん専門店といえば
「古奈屋」ぢゃないんですか

Commented by ken-G at 2011-02-01 01:09 x
再び・・・

えっと、古奈屋とは違うんです。(そこは行ったし)
もっとローカルな場所でローカルな店でした。
えー
うーん
も~
あぁー

思い出せないっっっ。
たしかライブに行った先なんですよね・・・。
Commented by ikasasikuy at 2011-02-01 01:23
ken-Gさん
なるほど
そのローカルな店があるライブに行った先を思い出すには
まずライブに行った場所を思い出さなくてはイケマセン
たぶんその場所の先にその店があると思います


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