2011年 03月 25日
剣客商売
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大川を猪牙舟で行く小兵衛とおはる
OLYMPUS E-410



江戸時代には
剣術を商売にしたサムライが大勢いたそうな
道場をかまえて門人を集めたり
腕を見込まれ剣術指南役として大身旗本に仕官したり
仕官敵わず浪々の身となり大店の用心棒をしたり
成れの果ては
道場破りから盗賊、やくざ者の用心棒まで
その人品や技量によって
値段の差は天と地であったという

池波正太郎が描いた秋山小兵衛もまた
剣客であった
無外流辻平右衛門に師事した後
四谷仲町に道場を構え
老後は隠居し鐘ヶ淵で気ままな生活を送った
こうして悠々自適の暮らしができたのも
剣術が「強かった」がゆえである


いまの世は剣客など存在しないが
その「技」として「剣道」というスポーツが残っている
高校一年のとき
学校の授業で初めて防具を身に着けた
面が死ぬほど臭かった
なんども吐きそうになった

剣道部の模範演技を見た
不思議なことがあった
技を出すとき
いちいち
「めーん」と叫んで面を打ち
「どー」と叫んで胴を払い
「こてー」と叫んで小手を打つのである
こんなスポーツは珍しい
攻撃目標を公表しているのだ
だいたい
相撲で「右四つ」と叫んで組み合うのを見たことがない
ボクシングで「左フック」と叫んで打つのを見たことがない
バレーボールで「Bクイック」と叫んでトスを上げるのを見たことがない
野球で「アウトコース低めスライダー」と叫んで投げるのを見たことがない
そう思うと
剣道というのはぢつに律儀なスポーツだ

ところで
「めーん」と叫んで小手を打ったら
反則になるのだろうか・・・

by ikasasikuy | 2011-03-25 02:17 | 江戸文化 | Comments(8)
Commented by ladon at 2011-03-25 08:46 x
そういや、メ~ンや、ド^~ウ、コテ~て叫んで打ち込んでました、御丁寧に、御面・御胴・御小手て言う事もありましたは、何も考えずにそれが当たり前やに思うて不可思議に感じた事はなかったんですが、言われてみれば、左様でござりまするな!、考察いたしますに、攻撃場所を示してから打ち込むのではなく、打ち込んだ後に攻撃場所を宣言するタイミング(同時のようですが微妙に後へずれてるはずです)で発せられる言葉でありまして、「ここ攻撃してやりました」ちゅう事でありまして、「メーン」と叫んでコテを打つても反則ではないのですが、実際にはやりにくい事なのであります。確かに防具に汗のしみこんで醗酵してすえた臭いはたまりませんが、自分の臭いやし、最初だけでチョット臭うけど、時間が過ぎると、滝ほどの汗をかくので臭いに麻痺して気にならなくなるちゅうか、シゴカレてヘトヘトで臭いもなにもワッチャチャです。一応有段者のラドンですが、試合では滅多に勝ったことおまへん!!。
Commented by じゅんた at 2011-03-25 10:00 x
ささきさん
こんにちは
 「めーん」と叫んで小手を打ったら
で、子供の遊びを思い出しました。
対面して片方の子が「鼻、鼻、鼻、・・・・」としばらく言い続けながら人差し指で自分の鼻をさし続け
急に顔のほかの部分の名前(例えば「口」)を言っておいて、それとは別の部分(例えば額)をさす。
もう片方の子は、相手の振りを真似るのではなく、言うとおりの部分を指ささなければ負け。
あれ?
似ているようで似ていないかな?
あはは
あはは
Commented by ikasasikuy at 2011-03-25 10:51
Ladon師匠


なんと!
師匠
一応有段者であられましたか
ということは
世が世なら
秋山小兵衛か長谷川平蔵
もしかしたら
鞍馬天狗か白馬童子やったかもしれませんねぇ
え?
赤胴鈴之助が好きや?
いや
畏れ入りまして御座います
ほんで
実際には
「打」ってから「叫」んでるんですか
つまり
なんですか
メンを打ってから「面しばきあげたりましたー!」
ドウを打った後に「胴切り裂いちゃいましたー!」
てな具合ですか
_u_m_u_m_u_
ボクは長いあいだ逆やとばっかり思てました
ほな
野球でホームラン打ったあとに
「わははーホームラン打ってこましたったー!」
とゆうてるようなもんですね
べんきょになりました
Commented by ikasasikuy at 2011-03-25 10:55
じゅんたさん
_u_m_u_m_u_
ボクが幼少の頃にやっていた遊びの中に
その「はな、はな、はな・・・」
とゆうのはなかったです
道具を使わずに遊ぶ遊びは
主に「胴馬」と「凱旋」で
これは危険が危ない遊びなので
男の子だけでした
もしかしたら
女の子は
その「はな、はな、はな・・・」
をやってたかもしれません
似ている遊びといえば
二手に分かれて全員野球帽をかぶって
帽子を普通にかぶってるのが「大将」だったか「元帥」だったかで
それぞれひとりずついて強いんです
強いんですけど帽子を横向きにかぶってる「工作兵」だったか「スパイ」だっかには
負けるんです
ほんで帽子をうしろ向きにかぶってるのが「兵隊」やったか「水兵」やったかで
これは弱いんですけど工兵には勝つんです
いわゆる三すくみになってて大将がやられた時点で終了です
ほんで
帽子もってへん子はよせてもらえなんだです

あんまり似てませんね
えへへ
えへへ
Commented by ladon at 2011-03-25 12:07 x
ほんで、言い忘れましたが、面とか胴とか、気合をいれて発生しないと、まともに面や胴などが決まってても一本とってくれません、多少ずれて決まってても、気迫.気合で一本採ってくれる事もありました。じゅんたさんの言われるハナハンの遊びは幼稚園でやってた記憶があります。野球帽の遊びですが、駆逐水雷とか駆逐本艦とか言うてました。所謂ジャンケンと同じ、三竦みの遊びでした。軍隊のあった頃からの遊びやったんでしょう、戦争将棋ちゅうにもありましたな。
Commented by ikasasikuy at 2011-03-25 17:28
Ladon師匠
気合いを入れて発声するんですか
なるほど
面を打ち込んでスカくろても
竹刀が面に当る
「バシッ!」
という音を口でゆうてから
すかさず
「メーン!」
と力強く言えば
イッポンですか
剣道て「ダマシ」ありなんですねぇ
ほんで
そうそう
そうでした
「駆逐水雷」
ゆう遊びでした
「クチクスイライ」・・・
なんとなく記憶が蘇って来ました
「駆逐艦」と「水雷(魚雷)」と「本艦」の三種類です
本艦は1名です
やっぱりこいつが負けたらゲームセットです
駆逐艦と水雷はぎょうさんいてます
何人ずつとか決まってへんかったと思います
本艦は帽子のつばが前向きで駆逐艦に勝って水雷に負ける
水雷は帽子のつばが後ろ向きで本艦に勝って駆逐に負ける
駆逐は帽子のつばがヨコ向きで水雷に勝って本艦に負ける
の三すくみでした
Commented by おおはし at 2011-03-28 13:57 x
剣客商売。先日1~16(浮沈)まで
読み返し終わった所でした。
この小説のいいところは、2年も読まないで
いると内容を忘れてしまう事。概要は、覚えて
いても3度目4度目なのになぜか飽きないです。
普段は適当に1冊抜いて、旅行や出張に持って
行きますが、今春は久々に初めから通して読みました。
Commented by ikasasikuy at 2011-03-28 14:49
おおはしさん

時代小説
読んでからテレビドラマ化したのを見ると
ずいぶん歪曲されてますねぇ
映像向けにしているのはわかりますけど
あんまりアレンジしすぎると「味」が薄れてしまいます
小説を読んでない人にはそれでいいのかもしれませんけどね

池波正太郎の小説
鬼平犯科帳も仕掛人藤枝梅安も
もう飽きるほど繰り返し読んだのに飽きません
仰せの通り
しばらくするとまた読みたくなります
適当に一冊抜いて・・・同じくです
いや
不思議な小説です



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