2011年 12月 21日
京都のお昼
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京都のお昼ごはん
OLYMPUS E-410



朝ごはんや晩ごはんに「御」は付けないが
昼ごはんには堂々と「御」がつく
つまり「お昼ごはん」だ
ごはんを略して「お昼」でも通じる

 昼は食べられへんやろ・・・という指摘はない

そんなわけで
ボクの京都のお昼はこんな感じだ
らしいものと言えば
今宮神社東門外の「あぶり餅」ぐらいか


あぶり餅
去年来たときは向かいの「一文字屋和輔(通称一和)」で食べたので
今回は池波正太郎推奨の「かざりや」にする
二軒しかないので
かわりべんたん
かわりべんたんだが
ここだけの話
どうか他所でお話にならぬように
じつは
かざりやの方が好きだ
もちろん一和も悪くないが
甘さの質がすこしちがう気がする
まあ
気がするだけだ
番茶が付いて一皿15本で500ヱン
安い

ーーーーー

写真右上は
祇園さんのカレーうどん
あの「味味香」だ

 味味香にあのもこのもないという指摘もある

しかし
横浜中華街の萬和楼も看板に「味味香」とある
いったい味味香とはどういう意味だろう
知っておられるかたがおられるならぜひお教えいただきたい
祇園の味味香
今年の正月以来だから十一ヶ月ぶりになる
ここの味がずっと脳裏にこびりついていたのだ
店に入ると
入口近くのおっさんが「豚角煮カレーうどん」を食べていた
店の一押しだ
そこで
すでに「甘きつねカレーうどん」の口になっていたのに

 「魔がさした」

としか言いようがない
(京都ではよく魔がさすのである)
ついつい
豚角煮カレーうどんを注文してしまった
これがいけなかった
この角煮が駄目だった
脂が抜けてカスカスなのだ
しかもイヤな甘味だけが残っている
そればかりか
出汁が甘きつねカレーうどんのときと違う
「辛さ普通」を頼んだのに
ピリピリして鰹出汁が香ってこないのだ
目を閉じて
息を止めて
耳を澄ますと
微かに鰹が香ってくるが
こんなもんではなかったはずだ
ああ
なんということだ
一年近く期待してきたのに・・・
これが870ヱンなら
ボクはもう逆瀬川駅前「大和」のカツカレーうどん(820ヱン)でじゅうぶんだ
残念ながら
カレーうどん改方は
味味香の評価をワンランク半下げることで意見の一致を見た

ーーーーー

写真左下は
出町柳にある「おむらはうす」のチキンオムライス
見た目がとても美しい
丁寧な仕事をする料理人にちがいない
卵の火の入れ方が並の技ではない
フワフワでトロトロだ
決してドロドロではない
隅々まできちんと火が通っている
オムライスはこうでなくてはいけない
しかも茸入りの麦ごはんが絶妙の歯応えだ
当方はオムライス改め方ではないが
おそらくこれ以上のオムライスは京都にはないだろう
チキンオムライス730ヱン
安い

ーーーーー

写真左下は
「四条富小路上ル」のカレーうどん
見た目は極めて悪いが
麺はもちもちしていてコシがある
と言っても讃岐うどんのような歯を押し返す剛力はない
大阪の「茂凡」や「香月」の麺に似ている
噛んだ瞬間
思わずにんまりしてしまう食感だ
それに出汁が面白い
なんとも不思議な味である
目を閉じて
息を止めて
耳を澄まし
鼻をひくひくさせてみたが
鰹や昆布や炒子の風味は香ってこなかった
それでもうまい
ネギ等が一切入っていないのも面白い
写真でもわかるとおり
生クリームなのか豆乳なのか
カレー風味を円やかにする工夫がしてある
食べ始めより後の方になってどんどんうまくなる
まったく不思議な味だ
こういうのを「あとを引く味」と言うのだろうか
東京の「古奈屋」の出汁を思い浮かべてもらうとわかり易いが
味は言うまでもなく桁外れにこっちが上である
残念ながら
カレーうどんが印度と邪馬台国の異文化コミュニケーションであるという観点から看れば
カレーうどん改メ方として推奨できるものではない
繁華街のど真ん中ということもあって値段もそれなりである
それでも悪くはない
カレーうどん改方長官の肩書きを外して
プライベートでまた食べてみたいカレーうどんだ
カレーうどん(トッピングなし)800ヱン
なお
店名の「四条富小路上ル」だが
場所は四条通から富小路を少し上がったところにあるので
場所をさがすのに極めてわかり易いのだが
この場合
「四条富小路上ル」でよいのか
「富小路四条上ル」ではないのか
あるいはいずれも言い方も認められるのか
つまり
川端二条が正しいのか
二条川端と言うべきなのか
あるいはどっちでもかまわないのか
というモンダイである
京都の地理地名にお詳しい方のご教授をお願いしたい






特別付録

京都のお昼_c0120913_23203931.jpg
 (写真提供="Kaoru Kobayashi Luggage Material")

これはお昼ごはんではないが
小林さんと呑みに行った水月亭の「豚生肝」だ
すごい量だがこれで一人前だという
どうみても二人前以上ある
しかも
色といい
艶といい
張りといい
新鮮そのものだ
勿論めちゃくちゃうまかった

もうじき焼肉店などで牛生肝が食えなくなるそうだ
牛の肝臓の中からO157が出たかららしい
豚も同じなのだろうか
ニッポンは魚でもなんでも生で食う文化だからなぁ
そのうち
寿司屋でも焼き魚やら煮魚しか握らなくなるのだろうか
ああ
レバ刺し
法律で規制される可能性が高いらしいので
今のうちに耳から肝が出るぐらい食べておかねばならない

by ikasasikuy | 2011-12-21 06:32 | めん類学 | Comments(12)
Commented by Kenneth.K十三〇番弟子 at 2011-12-21 07:51 x
そういえば、横浜中華街の味味香の角煮をためしたことがありません。
一度行っとくべきかもしれません。
Commented by iけねすけ十三○番弟子 at 2011-12-21 08:31 x
いずれは
レバーの表面だけを炙って
『生じゃないもんね』
という鰹のタタキ理論な料理が出てくるのでしょうか?


さておき
オムライスが旨そうで旨そうで。
そういえばフワトロ半熟とか苦手だったのでは?
Commented by ikasasikuy at 2011-12-21 09:09
Kenneth.K十三〇番弟子
いっとくべきです
Commented by ikasasikuy at 2011-12-21 09:12
iけねすけ十三○番弟子
半熟の概念がひとそれぞれで
まだ「ナマ」なのに「ハンジュク」と呼ぶひとも入歯
ほぼ火が通っているのに「ハンジュク」と言うひとも入歯
まあ
卵は入歯でもじゅうぶん食えるので
一生付き合える食材と言えるでしょう
ほんで
おむらはうすのオムライスはふわとろの完熟なんです
ところで
Kenneth.K十三〇番弟子と
iけねすけ十三○番弟子は
どこがちがうの?

Commented by othum2bad at 2011-12-21 10:08 x
あぶり餅が美味しそうです
この様子がまたいいですね
本格的にがつがつ食べるのではなく
腹の虫を抑える程度のありかたが

さてカレーうどんの豚角煮
他の客の食べっぷりから影響されること
ちょいちょいあります
一昨年のことですが
お隣の青森市の蕎麦屋に入ると
これまた恰幅のいいおっさんがカレーうどんを
それは旨そうに食べていたもので
釣られて注文してみたところ
出汁の旨味の浅さをスパイスの「辛味」で塗り込める態の
やたらピリピリ辛いばかりの代物で
いたく閉口したことがありました
まさにひとそれぞれでございます

四条富小路上ルのカレーうどん
これは気になりますね
鰹も昆布も炒子も不在・・・
なのに旨い?

もしかして
フォン・ド・ヴォー
コンソメ
などを用いた
欧風カレー的な「旨味」なのでしょうか?
それならクリームとも合いそうでしょうし
Commented by ikasasikuy at 2011-12-21 11:58
othum2badさん

京都には美味しいものがぎょうさんあるし
何から食べよか悩みます
そんなときは
まず今宮神社のあぶり餅
むしやしないにちょうどヱヱ軽さです
それから
湯豆腐とか
うなぎとか
特に京都の鯖鮨はうまいです
祇園の「いづう」とか
下鴨の「はなおれ」とか
〆鯖のクセに高すぎるとは思いますけど
老舗はそれなりにヱヱ仕事してます
けど
名の通ってへん安いとこでもかなりうまいですよ
おばんざいの店もぎょうさんあります
ボクは「山ふく」がすきです
家々で味が違うのも面白いです
せやけど
野菜の焚いたんと豆ごはんやのに
なんであんなに高いんやろ
大阪であんな値段で商売したら三日で店つぶれますわ
味味香
期待大外れでした
前回とこれぐらい印象が違うのは珍しいです
もういっぺん行こうと思います
四条富小路上ル
四条通から路地のような富小路を上がってすぐです
オープンエアのテラス席もありますが
この路地
狭いくせに常に車が渋滞していて
その排ガスをかぶりながらいただくカレーうどんもまた一興かと・・・
オススメしません
Commented by ladon at 2011-12-21 11:59 x
ウソ病?になりまして(ウソ)
永らく投稿拒否してました
オムライス、フワトロとか弄り過ぎ!!
町の食堂で喰らう
チキンライスをペラペラの硬い卵焼きで
まいて、ケチャップ乗せたやつに
ウスターソース(敢えてこう表現します)
ドボドボかけてがわっちの原点
ですんで、凝ったオムライスはいけませんやね?!。
Commented by ikasasikuy at 2011-12-21 13:26
ラドン師匠

ウスターソース・・・
(ヱンさんはウースターソースゆうてましたね)
しましまあなんですわ
そばを語ると友だち無くすし
オムライスを語ると師匠に怒られるし
食いもんちゅうのはホンマに根が深いもんですねぇ
ほなけんど
うまいでっせ
師匠もいっぺんここのオムライス食べてみとくなはれ

 え?
 なんです?
 京都のニンゲンが作ったもんなんか死んで食うか?


なるほど
Commented by なべくみ at 2011-12-21 20:23 x
ご無沙汰しております
秋保は雪です

あぶり餅
ますます食べたいです

「四条富小路上ル」のカレーうどん
かなり気になります

京都は良いですね
Commented by ikasasikuy at 2011-12-21 22:05
なべくみさん
こんばんわ
こんどきたとき
かざりやのあぶり餅いきましょう
ほんで
ついでに
四条富小路上ルのカレーうどんもいっときましょか
湯豆腐のうまいとこ知ってるんです

 え?
 来年の八月?

とりあえず
湯豆腐はやめときましょ

そうそう
なべちゃんには内緒やけどね
例の柿の器
マンゴーの果肉に見えるねん
なんでやろ

そうそう
明日
前になべちゃんに作ってもろたボトルネックupします
Commented by コバヤシ (カオル) at 2011-12-22 23:35 x
えと、ぼ・僕ぁ 東海道線より下(シモ)にしか住んだことないんで
アガル・サガルはあんまし馴染みありまへんね
ほて・ウチのワダ・アキコに質問したらぁ
(もちろん小バカにされましたが)
その基点になるトコロから発するらしいです

せやから(行ったことないけど)そのうどん屋さんは富小路にありまんにゃろ?正式には富小路四条上がるが正解や思います
せやけど店を知らんモンが行こ・思たら
四条通りを富小路を北へ上がったトコやと分かりやすいですナ
(ほてネット見てるとトミコウジとなってまっけどトミノコウジと言います)
オマケ
http://d.hatena.ne.jp/IKuuuu/20111209/1323381359
Commented by ikasasikuy at 2011-12-23 01:00
コバヤシカオルさん
やっぱり
そうですか
じつは
ボクも富小路にあるから
まず最初に富小路と宣言してから
四条通の上か下かをゆうべきやと思てたんです
ほんで
アッコさんは東海道線の上から嫁いできはったんですね
富小路はとみのこうじ
そうゆうたら
綾小路はあやのこうじですね
ほな
押小路やら姉小路やら錦小路も
「の」を付けるんですか

 え?
 しらんがな?
 東海道線から下やゆうてるやろ?


なるほど

ほんで
一和の優しい笑顔の姐さん
こないだも居たはりましたわ



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