2012年 03月 23日
OLYMPUS E-410 谷中と書いて「やなか」と読む 「タニナカ」ではない 「ヤなか」・・・いわゆる重箱読みだ 谷中は町の殆どが寺と墓場らしい それに ひとよりネコのほうが多いと聞く じつはずいぶん前からここへ来たかった 理由は 墓と猫の写真を撮りたかったからだ そんなわけで 二、三年前から 「谷根千ウロウロ」というブログに魅了されている ボクもこんな写真を撮ってみたい 日暮里駅の南口を出るといきなり墓だった 見渡す限り「墓」「墓」「墓」である こんなにたくさんの墓石を見たことがあっただろうか ところが 肝心のネコがいない いったいどうしたというのだろう まだ寒いからだろうか こたつでまるくなっているのかもしれない 谷中墓地からもスカイツリーは見える ここからこうやって巨塔を眺めると まるで大都会の墓標のように思えてくる 「大東京ここに眠る」 人類が滅亡したとき 東京という街がここにあったことを示すのか 墓地を抜けてネコを探しながらしばらく行くと 不思議な光景に出くわした 家の中から木が生えているのだ じつはこの木 ずいぶん前にテレビの散歩番組で見たことがあった 「みかどパン店」だ こんなところにあったのか ほんとうに家の中から大木が生えているように見える 木の方が家よりはるかに大きいし立派だ ヒマラヤスギという木らしい 夏は涼しくていいけれど 冬は日当りが悪くて寒いだろうなぁ ヘビ道を抜けて 谷中銀座へ向かう ヘビ道は蛇のようにクネクネと曲がっているのでそう呼ばれている もともと川が流れていたところを埋めて道路にしたらしい 「蛇行」という言葉を思い出しながら歩いた 途中路地をみつけてはネコはいないかと探し回ったが 一匹も見つからなかった 谷中銀座の脇道の狭い路地で ついに ネコ発見 歩き始めて一時間 やっと念願のネコとの遭遇だ しかし このネコ かなり警戒している 近寄ると逃げてしまいそうだ バッグから望遠レンズを取り出そうとすると ああ 逃げてしまった 何もしないのになぁ 写真を撮るだけなのになぁ 少し行くと また別のネコに遭遇 しかしこれまた警戒心が強い 目と目が合った瞬間 猛ダッシュで20mぐらい逃げた 物陰からこちらの様子をうかがっている だめだ 近寄れない 一旦谷中銀座に戻って サトー肉店でコロッケと串カツをひとつづつ買う 「歩きながら食べる?」 「いえ、食べながら歩きます」 「すぐ食べる?」 「はい、すぐ食べてくれるかなぁ・・・」 「熱いから気をつけてね」 「はいはい」 食べ物で釣る作戦だ コロッケと串カツは揚げたてでいい匂いがしている まだ熱い ネコは猫舌だからなぁ・・・ それに猫背だ 背中は関係ないという指摘もある くだんのネコ発見ポイントへ戻ると くだんのネコは同じ場所に居た 物陰に身を潜めているが 耳と尻尾が見えている よしよし こんどは釣るぞ 「おーい、コロッケやでー」 「串カツもあるでー」 「めっちゃおいしいねんでー」 ダメだ 知らんぷりをしている 大阪弁は通じないようだ よし 少しちぎって投げてやる ネコはコロッケを見ている が 身動きひとつしない もう少しちぎって投げてやる 見ているが微動だにしない いったいどうしたというのだ・・・ 腹が減っていないのか 少し近寄ると ああ 全力疾走で逃げてしまった 残念だ おかしいなぁ こんなはずではないはずだ もしかしたら ボクが何か危険信号を発しているのかもしれないな そんなわけで 手には串カツ一本とコロッケが半分・・・ しかたがないので むしゃむしゃ食べながら日暮里駅へ戻った 結局ネコは釣れなかった 入れ食いと 高を括って 猫坊主 どろ 望遠レンズに交換する必要がなかったおかげで レンズはなくならずにすんだ
by ikasasikuy
| 2012-03-23 08:31
| 文化人類学
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Comments(8)
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ladon
at 2012-03-23 09:08
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冒頭写真
宇宙人(いや、猫)が二匹写ってまっせ!! 一匹は、銀色のゴーグル その下にケツむけて白猫が・・・ 目の釣りあがり方は地球のもんやない やなかは、概に地球外生命体に占拠されておるやに? ひょっとしたら、 江戸空木は、彼奴等の 万一の時、地球脱出用のロケット・・・?
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othum2bad
at 2012-03-23 09:58
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きれいに晴れたいい天気!
いいですねえ 絶好の墓見日和です え? そんな言葉はない? あはは〜 それもそうですねえ ううむ 谷中の猫のみなさん 愛想無しですね いろんなブログなどで見ても そこ行けば もう猫の天国 あっち向いても こっち向いても 猫だらけ 選ぶのに困る・・・ のかと思ってましたが まさかの猫ボウズ! ところで 二十年近くも前ですが 息子がヘビ道沿いのアパートにいて 一度だけ訪ねたことありました 付近では猫を見ませんでしたが 息子が二匹飼ってましたっけ 猫も魚も 釣れるはず・釣れないはず が裏切られること ままあるんでしょうか だからよけいに面白いのかもしれませんね
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ikasasikuy at 2012-03-23 11:23
ラドン師匠
宇宙人? 写ってまっか? なんぼみてもわかりません 銀色のゴーグル? ケツ? あ 冒頭の写真て 4枚めの写真ですか 谷中の猫は 宇宙人によって絶滅させられたのでしょうか 谷中と上野のあいだにある 国立国会図書館の国際こども図書館 外観の美しさに惹かれて 30分ほど中を見せてもらいました すんばらっしかったです 絵本に興味のあるひとは必見です え? わしゃでんでん興味ない? あら そですか
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ikasasikuy at 2012-03-23 11:23
othum2badさん
墓見日和 現実にはないですが 落語の世界では あります 「天神山」という上方落語に 変ちきの源助というへそ曲がりの男が墓をながめて一杯飲るという噺があります 江戸落語では「安兵衛狐」という噺です なかなかよくできた面白い噺です ボクは桂枝雀のが好きです ほんで 御子息が蛇道にすんでおられたんですか いいですねぇあの辺り 東京の割りにモノが安いし いい意味で「貧乏臭い」です 鐘ヶ淵とはまた種類のちがう「大都会らしくない町」ですね 肉のサトーのコロッケが90ヱン おなじ90ヱンなら神戸水野屋のほうが格段にうまいですが 谷中銀座にはもう一軒肉屋があって 「悪い意味で」張り合っていました othum2badさんの好物のメンチカツは 肉のサトーが150ヱン 肉のスズキは200ヱンでした ほんで ヱヱ天気やのに猫まる坊主でした 見聞きした情報とこれほどちがう状況も珍しいです 谷中の猫は警戒心強すぎです 弘前の猫はエライなぁ
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猫宮トラオ
at 2012-03-23 19:50
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こんばんは
折角の猫釣りが「ボウズ」とはお気の毒さんでした。 気分治して大阪城公園か中之島公園行かはったら猫さんらに会えますよ。 「猫のたくさん集まる場所 大阪城公園(乃至は中之島公園)」 と検索したらブログ立ててる人色々出てきます。 イカさんの御膝元「清荒神参道」にも色んな猫さんがいてはります。 参道が中国道の高架を潜る付近の土産もんやの「黒ちゃん」は特に愛嬌もんです。是非一度ご散策を。
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ikasasikuy at 2012-03-23 23:20
ねこどの
大阪城公園 ネコぎょうさんいますね 三、四年前に写真撮りにいっぺん行きました ネコぎょうさん撮れました せやけどね やっぱりネコは谷中なんですよ ハゼは江戸前やし タコは明石海峡やし バスは旧吉野川で釣らんとあきません いわゆる 「本場」っちゅうやつですわ ほんで 清荒神の中国道の下の土産もん屋て あの へんなもんばっかり並べて売ってるけっこうだだっ広いけどモノがぎょうさんありすぎて身動きとれん狭い店ですね あんまりけったいなもんばっかり売ってるので ちょっとのぞくつもりが小一時間品定めしてしまいました 結局なにも買わなんだんですけどね
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じゅんた
at 2012-03-24 01:19
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ささきさん
こんにちは 谷中の猫いなくて「残念でしたね 10年ほど前の話ですが4月上旬に谷中に花見に行きました 谷中は桜の名所でもあるのです 桜は猫みたいに逃げたりしないのでそこそこ楽しめました 墓石の間にブルーシートを拡げて 宴会モードになってるグループがいっぱいいました そういう場所は花見には向かないのではないかと思いましたが そういう風習の人達もいるのかなと納得して(したつもりになって) その後 上野にお酒を飲みに行った平蔵でありました (平蔵だったんかい!) あはは あはは
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ikasasikuy at 2012-03-24 03:09
じゅんたさん
谷中で 墓石のあいだにブルーシートですか へんきちの源助みたいなひと ぎょうさんいてはるんですね ほんで 花見の弁当をおまるにつめて 酒はしびんに入れるんやそうです おまる弁当にしびん酒 女の名前の墓と差し向かいで飲んで帰ったその晩おそく おゆうという女性が訪ねて来て 嫁にしてくれと押し掛ける これが若ぉてものすごい別嬪でおまけに艶っぽい ゆうれん(幽霊)やから昼間は出てきませんから飯食いません 足がないから下駄も草履も要りません ほんで 上野へお酒を飲みに・・・ いいですねぇ 上野でお酒を飲んだのはいっぺんだけです しかもブルースが流れ続けるガード下の焼き鳥屋でした http://ttms.exblog.jp/12648523/ |
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