2012年 07月 13日
ゾンマサと明石で玉子焼きを食らふ
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店の前が道路工事で出入りしにくい老舗玉子焼き屋
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タコ釣りの帰り
ゾンさんがどうしてもというので
明石名物「玉子焼き」を食べに行った

一軒目は
魚ん棚商店街を銀座通側に出て
少し浜の方へ下がったところにある「きむらや」だ
明石では知らないものはいないぐらいの有名店だ
玉子焼きは兄ちゃんが焼いて
接客はおばちゃんだ
昭和の雰囲気をたっぷり残した店構え
どことなく実家に帰ってきたような安心感がある

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ここは
一人前が20個で(普通は10個か15個)
思いのほかボリウムがある
ここですっかりお腹がふくれてしまった


二軒目は
魚ん棚商店街の西の奥にある「よし川」
向かいに有名な「T居」がある
明石の地元の人はみなT居がいちばん旨いというので
ボクも昔はここばっかりだったが
ほかに旨い店がいっぱいあることがわかったし
もっと居心地のいい店がいっぱいあるので
近頃はすっかりT居へ行かなくなってしまった

その向いのよし川

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ここは一人前10個だ
ハシゴをするにはこれぐらいがちょうどいい
しかし
すでに胃袋には玉子焼きが20個づつ入っているので
完食できるかどうか・・・

 完食した

店のお姉さんは小柄でがっちりした・・・
なでしこジャパンの宮間選手のような・・・
声がハスキーで目をつぶって聞いているとうっとりするような・・・
べつに目はつぶらなくてもいいけれどつぶったほうがいいような・・・
耳元で「ご注文はお決まりですか」などと囁かれるともうたまらないような・・・

 もういいという指摘もある

それに玉子焼きも
味といい
香りといい
ふわふわ感といい
申し分なかった

完ぺきに満腹になってしまった
あともう一個食べたら
耳から玉子焼きが一個
ところてんみたいに出てくると思う
結局
3軒ハシゴする予定が2軒目でダウンとなった


ゾンさんが玉子焼きのベースになる「じん粉」を知らないというので
ナカムラ商店へ連れて行った
余分なものをすべて削ぎ落して
骨と皮とスジだけになったおばあはんが出てきた
おばあはんはゾンさんの顔を見るなり

 「かしこそうな顔のお客さんやな」


一瞬で正体を看破ってしまった
さすがは亀の甲より年の劫である

 「じんこほしいんです、じんこです、じんこありますか、じんこください、ありますけじんこ」
 「なんべんも言わんでよろしい、じん粉やったらあります」
 「おうちでたまごやきつっくりまーす、もくようびはたこやきパーティでーす」
 「あんた、かしこそうな顔しとぉなぁ」
 「よくいわれます」
 「玉子焼きの作り方知ってんのか」
 「しりません」
 「おせたげよか」
 「おねがいします」
 「けどあんた、かしこそうな顔してるから憶えられへんやろ」
 「わっかりますか、じつはそうなんです」
 「見たらすぐわかるわ、紙に書いて帰り」
 「かみとかくもんください」
 「ちょっとまってや」

おばあはんは
なんかの紙箱をちぎってメモ用紙を作ってゾンさんに渡した


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真剣にメモを取るゾンマサ



 「ゆうから書きや」
 「はいどーぞ」
 「じん粉1カップ」
 「じんこ1かっぷ」
 「小麦粉1カップ」
 「こむぎこ1かっぷ」
 「だし汁6カップ」
 「だしじる6かっぷ」
 「卵5個」
 「たまご5こ」
 「あんた汚い字やな」
 「あんたきたないじやな」
 「それは書かんでもええねや」
 「それはかかんでも・・・」
 「それに平仮名ばっかりやな」
 「ぼきかんじにがてなんです」
 「ボキてボクのことか」
 「ぼきはぼきです」

ちょっとえらそなおばあはんだが
とても親切でゾンマサとの呼吸もぴったり合っていた
もしかしたらこのおばあはんもAQ高いかもしれない


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「ちゃんとゆうたとおり書かんかいな」



 「ついでにプロのお好み焼きのレシピおせたげよか」
 「おねがいします」
 「ゆうとおり書くねで」
 「はいはい」
 「じん粉1カップ」
 「こんこ1かっぷ」
 「小麦粉1カップ」
 「こむぎこ1かっぷ」
 「だし汁3カップ」
 「だしじる3かっぷ」
 「卵3個」
 「たまご3こ」
 「やっぱりみな平仮名やな」
 「やっぱりみなひらが・・」
 「それは書かんでええっちゅうてんねん」


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圓・・・ナカムラ商店の店先



そのあとボクらは
このじん粉屋のおばあはんから
魚ん棚商店街について衝撃的な事実を知らされることになった
それは
身の毛もよだつ知られざる商店街の秘密だ

 ひとつは玉子焼き屋のことで
 もうひとつは魚屋のことだ

とてもここでは書くことなどできない
もし、どうしてもそれを知りたいという人は
電話かメールで・・・

それからボクらは
何事もなかったかのように
商店街の魚屋を冷やかしたり
朝霧堂菓子舗の生姜飴をお土産に買ったりして帰ったが
家に帰っても衝撃の余韻が残っていた



そういえば
たしか去年もここで
おんなじような時期に
おんなじことをしてたような気がする

 http://ttms.exblog.jp/16585487/

_u_m_u_m_u_
まったく進歩がないなぁ・・・

by ikasasikuy | 2012-07-13 07:19 | 食文化論 | Comments(13)
Commented by ladon at 2012-07-13 11:03 x
秘密の話は青ので聞くとして・・・
中村屋のバアチャン
横浜のメリーさんみたいな雰囲気ある・・・?
人生振っ切れたみたいな・・・
先日、BSプレミアム(国営)で
横浜の風土記みたいな番組
やってて、アンクルトリスの柳原良平氏やら
華僑の人やらほか
横浜に所縁のある人が思い入れを語るものでした
その中で、名前忘れたけどある写真家が
メリーさんについて話たはりました
娼婦という、いわば世間に相容れられない
自分をあのような奇抜なスタイルで
開き直って見返していたのかなと
そうなった自分(生い立ち境遇は解かりませぬが)
を慰めていたのかも・・・と思ったです。
Commented by ゾン at 2012-07-13 13:03 x
なんかメモしている後ろ姿、
なんか新聞記者みたいやな~
Commented by ikasasikuy at 2012-07-13 15:53
ラドン師匠
このおばん
生意気にスッピンですねや
そらもう
スゴイです
ほんで
じん粉屋オバンの顔を
白塗りして
真っ赤いけの口紅引いて
つけまつげつけて
アイシャドー塗りたくったら
ちょうど横浜メリーになると思います
逆に言うと
横浜メリーの化粧をきれいに落としたら
じん粉屋のおばんになると
まあこういうことも言えますですね
Commented by ikasasikuy at 2012-07-13 15:54
ゾンさん

新聞記者て・・・
Commented by わてダ。 at 2012-07-13 16:44 x
じん粉って
初めて知った。
じん粉って 原料は何?

それにしても
おいしいモン 食べ歩き、
釣りしーの、
鉄っちゃんしーの、
ええねー。(と仕事中の わてダ。)

Commented by ladon at 2012-07-13 18:28 x
ゾンさん新聞記者て・・・
危ない粉買いに来て
筆談してる中(毒)国人にしか
見へんで!!。
Commented by ikasasikuy at 2012-07-13 20:16
わてダさん
じん粉というのはあれです
小麦粉をなにして
グルテンとったあとのデンプンの粉ぉです
買わんでも家で作れます
http://ws-plan.com/tsukuru/ukiko.html
じゃまくさい?
じゃまくさいなぁ
あはは
あはは
ほんでボクはてっちゃんちゃうし
Commented by ikasasikuy at 2012-07-13 20:26
ラドン師匠
ゾンさんちょいちょい外人観光客から
「ニーハォ」とか声かけられてます
Commented by ゾン at 2012-07-13 23:18 x
ラドン師匠。
できたら8月ちゅうには
明石タコリベンジにいきたいと
かんがえておろますので
修行はとりあえず横においといて
タコ釣って、卵焼きたべて
じんこ買いにいきませんか~
Commented by at 2012-07-14 00:18 x
ナカムラ商店て、ねこのおる店ですか?
最近明石行ってへん。。。
Commented by ikasasikuy at 2012-07-14 04:47
ぴさん
魚ん棚商店街の
真ん中らへんを25mぐらひ北へ上がって2号線に出る手前です
表に粉やら豆やら並べたあって値札が「円」やのぉて「圓」の古くさい店です
猫がおるかどうかはしりませんです
Commented by othum2bad at 2012-07-14 07:31 x
ナカムラ商店
すべて「圓」で統一された値札が素晴らしいです!
品名の右に逐一描かれた赤丸といい
うっとりいたします

さらに袋の口を縛る紐の色の心配り
ただものではありませんね
文化の香りがプンプンいたしますです
Commented by ikasasikuy at 2012-07-14 08:19
othum2badさん
値札
ぜんぶこのおばあはんの手書きです
ボクはこの店を見つけてまだ二十年あまりですが
おそらくその二倍も三倍も昔から
ここでこうやって
このお商売をしておられるのでしょう
おばあはんは
ニッポンの通貨単位が
「圓」という字から「円」に変わったことを
まだ知らないのではないでしょうか
うおんたな商店街の一角にあって
まわりの店がどんどん新しくきれいになって行くなか
ここだけは昭和、それも昭和の初期のままです
おばあはんは見た目以上に元気でしぶとそうなので
もうしばらくはがんばってくれると思います


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