2008年 01月 22日
テレビで「喜多川歌麿」の特集番組をやっていた 徳川幕府にたてつき 寛政の改革に抗った歌麿を 時のヒーローに奉りあげていた 面白い 寛政5年(1793) 幕府は遊女をのぞく女性の名前を絵に記すことを禁じた 判じ絵はその苦肉の策で、菜がニ把、 矢、沖、田 つまり なにわやおきた 歌麿は美しい女を描きたかっただけだという 遊女ではなく素人娘 瓜実顔に吊り上がった切れ長の目 鼻筋が通っていて受け口のおちょぼ口 しかし 美人ならだれでもよいというわけではなかった 歌麿が描いた女は江戸市中で評判になりもてはやされた 今でいうアイドルだ 幕府は美人絵や風俗絵が人々の堕落を生むと考え 絵師や版元を迫害し享楽主義を追放し続けた いつの世にも どこの国にも ありがちな話だ つい先日 神戸市立博物館で浮世絵を見てきたところだ 浮世絵といえば北斎と広重の風景画ばかりに傾注していたボクだが 幕府が唯一許した役者絵の製作を拒み ひたすら自らの描きたいもの(美人絵)だけを描き通した歌麿も悪くない 絵そのものより生きざまや心意気に少なからず魅力を感じる なによりお上をも畏れぬ比類なきファイティングスピリットは称賛に値する いやじつにカッコイイ 奇しくも 今 藤沢周平作「喜多川歌麿女絵草紙」を読んでいる これがまた面白い OLYMPUS E-410 with Zuiko Macro 歌麿のように生きることができたら面白いだろうなと ふと思った 藤沢周平は 処女作「溟い海」でも葛飾北斎を主人公に書いている これも見事に人間北斎を魅せている 作り話にせよ 遥か昔の絵師である歌麿や北斎の人間くささに触れ ごく身近な存在であるかのように思わせる この藤沢周平の手腕には驚くばかりだ 作り話やウソ話が大好きなボクも ついついのめり込んでしまうのである 気分はすっかり江戸時代だ
by ikasasikuy
| 2008-01-22 13:29
| 芸術総論
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Comments(4)
行ってきましたよ~
浮世絵が好きというわけではなかったけど ほんまもん観て感動してしまいました!
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ikasasikuy at 2008-01-22 23:49
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のら羊
at 2008-01-23 05:20
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ささき
at 2008-01-23 09:41
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のら羊大兄
大兄が買わはった浮世絵コピーですけどね 北斎のは 「赤富士」か「神奈川沖浪裏」でしょう どうです? え? 「山下白雨」? うむむ・・・なるほど ほんだら歌麿は 「団扇をもつおひさ」と「姿見七人化粧おきた対鏡」ですね え? ちゃう? ほな 「吾妻美人ゑらみかんざしさす女」と「南駅は印」? まず 高名美人六家撰日の出家後家」ではないと思います |
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