2007年 02月 09日
うどん屋
どこがどうという暖簾ではないけれど
藍がやや褪せて
なんとも渋い色合いになっている
かつお出汁がたっぷり効いたきつねうどんを食うなら
こういう店に限る


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千林大宮商店街「きみや」 (FujiFinePixF30)



むかし
東京の荻窪というところで
金がなかったのでうどん屋に入って
きつねうどんを一杯注文した
それがその日の晩飯だった
うどんを食べて
出汁をぜんぶ飲み干せば
朝までもつだろうという腹だった

ところが
出てきたうどんを見てびっくりした
出汁が真っ黒なのだ
もちろんうどんの姿は見えない
おそるおそる出汁をすすってみたが
塩っ辛くてとても飲めたものではなかった
それでも
もったいないので無理して飲もうとしたのだが
醤油をそのまま飲んでいるみたいで
気分が悪くなった
江戸の人はずいぶん気の毒な物を食べているのだなと思った

夜中
腹が減って目が覚めた
あまりのひもじさに眠れなかった
朝が来るのを待ってパン屋に走った
今みたいにコンビニなどがない時代の話だ

by ikasasikuy | 2007-02-09 12:32 | 食文化論


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