2006年 08月 24日
あさひ
夕べはひんやりと秋風が吹いたりして
流石に盆を過ぎると・・・と思わされたのも束の間
なんのことはない今日はまた朝から残暑が厳しいのである
汗を拭いつつ地下鉄を乗り継ぎ大阪の中心部へと向かう

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「絶対の自信 カレー天ぷらうどん」

日本橋1丁目「黒門市場」門外に
噂に聞くカレーうどんの名店「あさひ」はある
表の看板には「絶対の自信」と書かれている
なにを生意気な
絶対ということなど絶対にないはずだ
自惚れるにもホドがあるぞ
憤然としつつ店に入る

午前11時
店は開店したばかりで客は皆無
長いL字型のカウンターの中には
しょぼくれた中年過ぎの親父がポツンとひとり
どこにでもあるようなこの店構えの
どこからその「絶対の自信」とやらが湧いてくるのか
不思議を通り越して唖然とする

とりあえず
「カレー天ぷらうどん」を注文
注文を聞いてから大振りの海老を二本揚げ始める
突如として天ぷらの香ばしい香りが漂い
別の鍋からはカレー出汁のこれまた良い香りが漂う

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見よこのエビ天!

食べる前から「これはうまい」と思わせられる香りにノックダウンだ
出汁はあんかけ風のとろみだが決してしつこくはない
むしろサラリとしている

まず
湯気を立てる出汁をすくいにくいレンゲですくい口に運ぶ
「うっ・・・」
言葉が出ない
次に火傷覚悟でエビ天にかぶりつく
「うっ・・・」
これまた言葉が出ない
うどんをふたすじみすじすすり込む
「うっ・・・」
困った
困った
駒沢大学付属苫小牧高校野球部
これはもう筆にも舌にも尽くせぬうまさだ
左脳で言葉を選びつつ
右脳が過去の味覚体験をまさぐるものの

出てこない
これはまったく今までにないカレーうどんだ

取り憑かれたように出汁の最後の一滴までを胃袋にすす込んだ
カウンター越しに親父の「してやったり」顔がのぞく
うむむ
「絶対の自信」・・・恐るべし

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クーラーのよく効いた店内で汗をかきつつ陶酔の時を堪能する

聞くと
親父の親父の代からの店で
この場所で46年前からうどん屋をやっているらしい
カレーうどんを始めてちょうど25年目だという
なるほど
一朝一夕にはこの味は出せないことがよくわかる
これでお値段900円
世界一のコストパフォーマンスだと言っても決して過言ではない

ボクが
カレーうどん改メ方長官・長谷川平蔵であることを告げると
店の親父は
「やはりさようでございましたか」
「わかるか」
「なんとはなく立ち居振る舞いで」
「この味ほめてつかわす」
「恐れ入りましてございます」
「苦しゅうない、また来るぞ」
「何卒ご贔屓戴きますよう」
「うむ」

by ikasasikuy | 2006-08-24 17:19 | カレーうどん改メ


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