カテゴリ:食文化論( 588 )

2008年 05月 24日
春茄子
阪急神崎川に母の姉(伯母=故人)が住んでいた
ボクは「大阪のおばちゃん」と呼んでいた

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大阪のおばちゃんが遊びにくるときは
かならず梅田の阪神百貨店で
阪神電鉄の社章(菱形稲妻にレールの断面のヱ)の入った太鼓饅頭と
パルナスのピロシキを買ってきてくれた

パルナスのピロシキ
会社は2000年に営業を停止したらしい
揚げパンの中に肉と野菜のたいたんが入っていて
カレーの味のしないカレーパンみたいなものだったが
具体的にどんな味だったのかと聞かれると
すっかり忘れてしまっているのである
なにしろ半世紀近く食べていない
憶えているのは
「もっと食べぃや」
とおばちゃんやさしく言われて
「もうお腹いっぱいや」
と言いながら
口いっぱいにほおばったことぐらいだ
美味しかったのかというと
そうでもなかったような気がする
阪神の地下のイカ焼きや
551の豚まんの方がはるかにうまかった

パルナスのCMソング
40歳以上の関西人ならだれでもくちずさめるほど
有名なCMソングだ
仲村メイコが歌っていた

 パルナスの歌

 作詞・作曲:津島秀雄
 歌:中村メイコ、ボニージャックス

 ぐっとかみしめてごらん
 ママのあたたかいこころが
 おくちのなかにしみとおるよ
 パルナス
 あまいおかしのおくにのたより
 おとぎのくにのロシアの
 ゆめのおそりがはこんでくれた
 パルナス
 パルナス
 モスクワのあじ
 パルナス
 パルナス
 パルナス

この歌を聴いて
ロシアという国の
モスクワという町にあこがれた
なんとステキなところだろうと思ったものだ
ボクが小学生の頃は
ロシアという国は地図になかった
まさか
それがあのソ連だとは
夢にも思わなかった‥‥

by ikasasikuy | 2008-05-24 12:47 | 食文化論 | Comments(20)
2008年 05月 15日
そらまめ
そらまめを茹でる

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OLYMPUS E-410 with Zuiko 35mm F3.5 Macro


そらまめは
軽く茹でて塩を振って食うのがうまい
他の食べ方もいろいろがあるが
詳しいことはわからない

そらまめは
大きくて長い鞘(さや)に入っているが
大豆やエンドウ豆のように
ぎっしり詰まっているわけではない
すきまだらけなのだ
一番長いやつでも豆は3つしか入ってない

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OLYMPUS E-410 with Zuiko 35mm F3.5 Macro


茹でる前に鞘をむかなくてはいけない
鞘の中はふわふわした繊維で覆われていて
豆がつぶれないように守ってくれている
鞘をむくのは面倒だが
コツを掴むとすばやくむけるようになる
ボクは子供の頃から母親にやらされていたので
なかなか上手にむく技術を持っている
大笊二杯の鞘からとれるそらまめは
せいぜいどんぶり鉢一杯だ
なんと着膨れした豆だ

茹でたらこんどは薄皮をむかなくてはいけない
薄皮と言っても大きな豆だからかなり分厚い
薄皮が分厚いというのもおかしいが
分厚い薄皮だから仕方がない
薄皮をきれいにむくには少しコツがいる
コツを掴めばすばやくきれいにむけるようになる
ボクは子供の頃から母親にやらされていたので
なかなか上手にむく技術を持っている
分厚い薄皮をむくとさらに嵩が減る
せいぜい飯茶碗一杯だ
なんと着膨れした豆だ

これに塩を振る
振りすぎると当たり前だがからい
塩加減に注意が必要だ
じねんぼうの親方によると
岩塩が良いらしい
ほんのりとした甘味が良いのかもしれない
さっそく
なべたガラスの器に盛って
食べてみる
うっ・・うまい!
茹でただけなので料理とは言い辛いが

「美しい器が料理を美味しくすることがありますか?」
「あります」
「美味しい料理が器を美しく見せることがありますか?」
「あります」



最近ちょいちょい
このtmをラドン奥村支障・・いや、師匠がのぞいておられるので
あんまり迂闊なことは書けなくなった
支障・・いや、師匠といえば親も同然である
もうぢき還暦を迎えられる支障・・いや、師匠だが
まだまだ死にそうにもなく
むしろ昔より元気になられているとのウワサもある
下手なことを書くとはったおされるので
これからはウソ話もホドホドに書こうとおもう今日この頃である


by ikasasikuy | 2008-05-15 21:44 | 食文化論 | Comments(18)
2008年 05月 06日
tara
秋保から「春の恵み第二弾」が来た
太平洋の荒波に揉まれた「秋刀魚」と
山菜の王様「タラの芽」だ

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秋保の春の恵み
Fuji FinePix F30


たっぷりと水を含ませた新聞紙を
そろりそろりと剥いでいくと
にょきっと春が現われた
おぉ!
これは!
春の香りに包まれる
さっそく天ぷらにせねば・・
しかし
困った・・
今日は我が家の揚げ方である大きな妻がいない
いや
背は低いのだが
横幅は大きい妻である
その妻が
この世を去ろうとしている人を見届けるために
ついさっき神戸へ向かったところだ
明日の朝まで帰ってこないらしい
だからといって
躊躇している場合ではない
よし
自分で揚げてみよう
ごるご十三番弟子なんか
楽勝でこなす作業だ

地あぶらをフライパンに張って
生地の滴がチュンというぐらいに熱する
あとは
ころもをつけて
丁寧に揚げるだけだ

チュルリンチリチリチュルチリリン
チュルリンチリチリチュルチリリン

なんだ
簡単ぢゃん天ぷら

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若干ころもの乗りがわるいけど
Fuji FinePix F30


塩かな・・
いや、天つゆだ
そばつゆを濃いめに割って
即席の天つゆを作る
酒は
冷蔵庫に半分隠してあった赤トンボだ

おっ
イケるやん
ころもがぱりっとしてて
うまいぞ
そうか
これが秋保の春の味か・・
なるほど


お礼ゆうのんおそなってしもた
なべちゃん
いつもヱヱもん
アーリガトォーネ!(イタリア語やで)

by ikasasikuy | 2008-05-06 18:25 | 食文化論 | Comments(18)
2008年 05月 04日
やまつ辻田
さる妙齢の女性から
「いつぞやのお礼」
ということでこんなものをいただいた

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堺・やまつ辻田「名代柚子七味」
OLYMPUS E-410 with Zuiko 35mm F3.5 Macro


うむむ・・七味やん
あっらー
なんやこれ
パッケージがそのまんま封筒になったあるやん
ちゃんと80ヱン切手も貼ったあるし
ほんで
めっちゃかいらしヱがいっぱい描いたある

赤唐辛子
恵比寿さんの祝い鯛
打ち出の小槌
鳩車
巾着福袋
剣玉

起き上がり小法師
でんでん太鼓
羽根つきの羽根
七福神の宝船

せやけど
うちは七味唐辛子は「八幡屋礒五郎」ひとすじやねんけどなぁ
まあ
とりあえずなんかに振ってみたろ
どうせゴールンウィークやし
どっこも行かへんし

味噌汁に振ってみる
ボクの作る味噌汁は藤枝梅安風なので
具は葱しか入っていない
梅安先生は味噌汁の具は一品に限るとゐう
つまり
葱なら葱
大根なら大根
油揚げなら油揚げ
ほうれん草ならほうれん草なのだ
したがって
「豆腐と若布の・・」とか
「牛蒡と里芋の・・」などは邪道だとゐって嫌うのである

また話の筋がそれたな

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梅安風葱の味噌汁
OLYMPUS E-410 with Zuiko 35mm F3.5 Macro


えーと
あ、そうそう
味噌汁に柚子七味を振る
おっ
ヱヱ香りやん
うっ
うまいやん
へぇ〜
イケるやん
よし
昼は音威子府そばにかけたろ

ところてん
やまつ辻田て・・?
会社のホームページの商品紹介をみてみる
www.yamatsu-tsujita.com
あ!
このイタリアの国旗のデザインの鷹の爪
いつも関西スーパーで買ぉてるやつやん
なんやそうか
パスタ作るとき使てたんや

ほんで
おもろいブログを発見した
やまつ辻田の番頭さんが日々綴るブログやねんけど
これがなかなか笑わしよんねん
バントウハン・ドット・コム
「新・堺ではたらく番頭!はんのブログ」がメインタイトルで
サブタイトルが
「きつねうどんを愛する番頭はんのブログ」やて
カメラ好きで麺類好き
読んでたら
ボクと同じぐらいかちょっと年下のひとやん
もしかしたら釣りとブルースも好きかもしれへんな
こんなん読んでたら
「うんうん、ほんまや、ほんまや」とか
「あ、そーそー,そやねん,そやねん」とか
ついついコメントしたなんねんなぁ・・
やめとこ


礼ゆうのん忘れとった
妙齢の女性やし
名前は出されへんけど
いつもヱヱモン
アーリガトーネ(ちょっと伊太利亜っぽいやろ)

by ikasasikuy | 2008-05-04 11:40 | 食文化論 | Comments(4)
2008年 04月 20日
salt tomato and salad potherb mustard
塩トマトとサラダ水菜のサラダ

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OLYMPUS E-410 with Zuiko 35mm F3.5 Macro


塩トマト
最近
塩トマトというのが出回っている
塩害を受けて成長しなかった小さなトマトらしい
つまり出来損ないのトマトだ
大きさはピンポン玉ぐらい
赤く熟しているが皮がやたら硬い
なまくらな包丁では切れない

青臭いのかと思うと
そうではない
とても甘い
つまり美味しいのだ
出来損ないじゃないぢゃん

サラダ水菜
水菜はアブラナ科の野菜だ
水菜の茎は硬いが
これは茎まで軟らかい
最近サラダ水菜という名前で出回っている
生食用に水耕栽培されたものらしい
軟らかいと言っても
シャシキシャキとした食感は残っている
胡麻ドレッシングやゆずポンズで食べると美味い

硬いトマトとシャキシャキ水菜
リーエロッソ*に合う

  リーエロッソ = カンパリ+八朔果汁+炭酸

by ikasasikuy | 2008-04-20 04:31 | 食文化論 | Comments(8)
2008年 04月 04日
Opera Saigon
ベトナム料理が食べたくなって
宝塚南口にあるオペラサイゴンへ行ってみる
サイゴングループのチェーン店だ

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ラストオーダーぎりぎりに入ったので
客は皆無(ちょっと寂しい)
店はエクステリアもインテリアも
白と赤を基調としてとてもお洒落だが
よくみるとかなりチープ
倉庫用の軽量鉄骨とトタン張り
屋根は強化ガラスス葺きで空が見える
うむむ
モトコー商店街の理髪店キリシマが
「男&お洒落」の看板を揚げるなら
ここは「チープ&お洒落」だ
豪華に飾り立てて息苦しいよりも
こっちの方がずっといい
ところどろこに掛けてある「ヱ」も面白い

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昼のコースをオーダーする
前菜は生ゴイコン
ワイングラスに乗って出てくる
このあたりの演出もうまい
ボイルした海老の透け具合も言うことなし

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生ゴイコン
OLYMPUS E-410


スープ
サラダ
海鮮野菜炒め
ピラフ
チェー
ベトナムコーヒー・・・だったと思う

1700円とリーズナブル
味は100点満点の64点だ
悪くない

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豪華さはないけれど
ホーチミン市の町外れにポツンとあるような
瀟酒なレストランの雰囲気が味わえる
フォーも食べようと思ったが
すでにお腹いっぱいだ
ベトナムフリークのぴ姐さんはもちろんのこと
都市生活生協の池田さんにも是非いちどのぞいてみてほしい店だ

  www.saigon.com

by ikasasikuy | 2008-04-04 10:20 | 食文化論 | Comments(12)
2008年 03月 29日
さつまの味
魚福という料理屋のカウンターで独り飲んでいると
突然、隣に座り合わせたオヤジ二人組の客に声をかけられる
「ろちらからおいれれすか」
ああ・・悪いパターンだ
かなり酔っている
しかも呂律が極めて怪しい

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きびなごの刺身 「魚福」にて
Fuji FinePix F30


ろうにゃくにゃんにょが
芋焼酎をぐいぐいやりながら
大声で語りつつ
腹を抱えて笑いつつ
新鮮な魚に舌鼓をうつ
そんな活気あふれる大衆的な店だった
そして
みな
キビナゴを口にすると

「うんめなあ」

と言う
キビナゴは鹿児島県人にとって
特別な魚なのだろう
たしかに
ぷりぷりとした食感はいいけれど
ボクにはそんなにうまい魚には思えなかった

「ね、瀬戸内海のイカナゴとはれんれんちがうれしょ」


酔っ払いのオヤジ
たしかに「れんれん」ちがうけれど・・

多少の辛抱はいるが
こういう場所ではナマの鹿児島弁が聞けて面白い
鹿児島では鹿児島のことを「かごんま」という
初めて聞いたボクでも「かごしま」のことだとわかった
わかりやすい鹿児島弁だ
しかし
何のこっちゃ抹茶に紅茶な言葉も多い

「つがらんね」
「わっぜい」
「むぜ」
「もくりき」
「おやっとさぁ」

うむむ
外国語だ
若いひとはそうでもないが
オヤジ級になると訛り具合も半端ではない
おまけに酔っているのでますますわけがわからない
タイの屋台で飲んでいるようだ
さすがに
自分のことを「おいどん」という人はいなかった


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ウチワエビの刺身
Fuji FinePix F30


ウチワエビ
これが食べたくて鹿児島まで来た
奇怪なカタチをしている
味は絶品だった
もっちもちのぷりっぷりだった
なるほど
魚でも何でも
不細工なやつほど味がよいというわけだ

店の大将は
「この時期は、なかなか希少なんですよ」
という
そのとおりで
前日、何軒か料理屋できいたが
どこの店にも置いていなかった
「うちはだいたい入るんですけどね」
なんだか自信たっぷりだ
どうやらこの店が買い占めているらしい
なるほど
ふと
じねん親方の顔が浮かんだ

鹿児島には
アサヒガニという
これまた奇怪なカタチをしたカニがいるらしい
さっそく
生きているやつを水族館で見た
うむむ・・・
ウチワエビ以上に不細工だ
よし
こんど鹿児島へ行くときは
かならずこいつをやっつけよう
そうしよう
そうしよう

by ikasasikuy | 2008-03-29 01:39 | 食文化論 | Comments(16)
2008年 03月 23日
島らっきょう
沖縄と言えば泡盛だ
泡盛の肴と言えば
テビチ、豆腐よう、そして島らっきょうだ
(魚がいっこもないやん)

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島らっきょう
OLYMPUS E-410 with Zuiko 35mm F3.5 Macro


島らっきょうの料理法は
生のまま軽く塩でもむ
それだけだ
根っこの白いところだけを食べる
普通のらっきょうと同じだ

らっきょう
漢字で書くと「辣韮」である
「辣」=ラツ(辛い)
「韮」=ニラ
辛いニラだ
辣は中国語でラーと読む
辣油のラーだ
家で辣油を作るときはゴーグルをした方がいい
さもないと涙が止まらなくなる
言葉や表現が非常に手厳しいことを「辛辣」(しんらつ)という
からくてからいことだ
同じ意味を持つ字を重ねて強調しているのだ
そういう熟語は他にもある
「柔軟」はやわらかくてやわらかいことだ
「充満」はみちみちることだ
おっと
話が横道にそれている

島らっきょうだ
シャキシャキとした食感と
ピリッとした辛味
そして
口の中を爽やかにするビターっとした苦味
泡盛のコクのある味わいに合うのだ
それだけだ

「ビターっとした苦味」という表現にはかなり無理があるが
まあ、あまり気にしないことだ

by ikasasikuy | 2008-03-23 00:18 | 食文化論
2008年 03月 22日
酒&肴
食べたことがない魚は
とにかくいっぺん食べてみたいのである
魚に対してとても貪欲でいやしいボクである

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東北産メヒカリの炙り焼き
OLYMPUS E-410 with Zuiko 35mm F3.5 Macro


メヒカリは目が青く光るのでメヒカリ(目光)という
一夜干しにされたメヒカリをさっと炙って
頭からかぶりつく
「うまい!」
身はホクホクとしつつホロホロしているのである
なぜホクホクだけではなくホロホロなのかというと
脂が多いからだ
芸能人は歯が命だが
魚は脂が命だ
脂のうまい魚は総じてうまい
これはニッポンの常識だ

「肴」というのは
酒の「さかな」なので
必ずしも「魚」とは限らない
しかし
酒の肴は魚に限る
口の中でうまい脂が広がれば
自ずと酒を飲みたくなるではないか
これも
ニッポンの常識だ

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高知の名酒 土佐鶴純米
OLYMPUS E-410 with Zuiko 35mm F3.5 Macro


冷蔵庫で冷やしているやつを飲むか
常温で置いているのを飲むか
大いに悩む
悩んだ末
常温の冷や酒でいく
「うまい!」

阿倍野の居酒屋「明治屋」の兄ちゃんが
「燗酒にしてくれ」
という客に
「土佐鶴は燗はしません」
そう言って頑として譲らない
理由は
燗をつけると旨味を損なうからだ
純米酒は熱燗がうまいのもあれば冷やがうまいのもある
それぞれがそれぞれに飲み方が異なるのである
こんなことを言うと
まるで酒飲みのようだが
決してボクは酒飲みではない
うまいものを食べたとき
うまい酒が飲みたくなるのはニンゲンの本能なのだ

炙ったメヒカリをかぶりつく
じゅわっと脂が口の中で広がる
広がったところへさして冷や酒を送り込む
絶妙のハーモニーが奏でられる
そしてまた
炙ったメヒカリをかぶりつく
じゅわっと脂が口の中で広がる
広がったところへさして冷や酒を送り込む

真っ昼間からこんなことをしているが
決してボクは酒飲みではない
あくまでも本能である



   ああ、穂高家の子供に生まれてよかったー



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夜はメヒカリの天ぷらだ(特別追加画像)
OLYMPUS E-410 with Zuiko 35mm F3.5 Macro


by ikasasikuy | 2008-03-22 11:34 | 食文化論 | Comments(4)
2008年 03月 17日
寿司のはなし
若い頃から寿司が好きだった
うまいにぎり寿司を食べたとき
日本人に生まれて本当によかったと思う

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老寿司職人
Fuji FinePix F30



初めてこの寿司屋へ行ったのは
ボクがまだ二十一か二の時だった
以来
ずっとこのオヤジのにぎった寿司を食べ続けてきた
あれから三十五年が過ぎた
こんなに長く同じ店に通い続けることもあるのだなと
不思議な気がする
気が付けば
店主も客もすっかり年老いていた


鉄火肌の寿司職人は
大きな声では言えないが
神戸に生まれ育ちながら大の巨人ファンだ
阪神ファンの多い土地柄
客を怒らせたらまずいのだろう
店ではあまり野球の話はしたがらない


阪神淡路大震災のあと
しばらく店を閉めていた
どうしているのだろう・・・と
気になった

今は
昔なじみを相手に
一日に二時間だけ寿司を握る
もちろん一見客も来るが
一等地に店を構えながらもったいない気もする
商売よりも
寿司をにぎることを楽しんでいるようだ


最近は
壱岐の一本釣り漁師が釣った魚を空輸して使う
明石の魚より値は張るが
断然旨いと絶賛する
「どないやこの壱岐のサバ」
魚を語るときのオヤジの目は活き活きと輝く
表情に若い頃の気迫が蘇ってくる

壱岐の魚も悪くはないけれど
やっぱりボクはオヤジのにぎった明石の蒸し穴子が好きだ

by ikasasikuy | 2008-03-17 18:27 | 食文化論 | Comments(4)