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2007年 10月 05日
Polpa Pronta Di Pomodoro
阪神間で一番高いと評判のスーパーマーケットへ行くと
いつものトマトピューレのビンがない
棚には見慣れぬラベルの商品ばかりだ
しかもやたら値段が高い

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Polpa Pronta di Pomodoro OLYMPUS E-410


そんななかに
アンタッチャブルに出てくる
エリオットネスみたいなおっさんの絵のビンがあった
「なんじゃこりゃ!?」
愛想もクソもないおっさんの絵だ
どうみても食品のラベルに相応しくない
しかし
みればみるほど気になる
絵の古臭さがすばらしい・・・
最近、歳のせいか
ときどきラベルに惹かれてモノを買うことがある
中身はどうでもいい場合もある
困ったものだ
ピューレはイタリア製のようだ
しばらくラベルを眺めていたのだが
どうしてもこのビンを家に持って帰りたくなって
値札も見ずに買い物カゴに入れた

さっそくパスタを茹でながら
トマトソースを作った
塩の効いたベーコンを刻んで混ぜ
乾燥オレガノとバジルペーストも少し加えた
ほどよい酸味と甘味で悪くない
香りも文句なしだ
ただし
防腐剤がたっぷり仕込まれているらしく
賞味期限は2009年の夏までとある
二年先だ
恐しい話だ
やっぱりピューレは完熟トマトをつぶして自作するのが本道だろうナ

by ikasasikuy | 2007-10-05 16:24 | 食文化論 | Comments(9)
2007年 09月 28日
仙台のうまい

夜通し釣りをして
へとへとになったボクに
じねん親方の最高のこころづくし

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うまさを凝縮した盛り OLYMPUS E-410


右上:金華さばのきずし
その下:いか肝のるいべ
ほかに
つぶがい、鮪、秋刀魚
テマヒマが口のなかに広がる昆布〆
うむむむ
いずれも絶品中の絶品
じねんぼう恐るべし

女将さんが選んでくれた酒
「土耕ん醸」がスルリとのどを通る
何も言うことがない
つまり
言葉を失う


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鯊は天ぷらがうまいねん OLYMPUS E-410


最後に食べたのはいつだったか・・・
思い出せないぐらい遠い記憶を
見事よみがえらせてくれた親方の釣果
広瀬川の河口だろうか

いろんなことを思い出しつつ
親方の鯊を噛みしめると
ほどけた身が記憶の狭間を泳ぐ
ボクのふるさと武庫川河口の風景が目に浮かぶ

「バケツいっぱいになるまで帰ってくるな」
死んだ父の言葉も同時によみがえる
正月の雑煮の出汁に使う鯊の干物をつまみ食いして
死んだ母に怒られたことも思い出す
ああ
まるで
夢を見ている夢を見ているようだ


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美しいうまい OLYMPUS E-410


突如、和食屋に香るイタリアン
「おっ、いきなりか」
と思ったら
香りはボクの後ろを通り過ぎていった
別の客のひと皿だった

最後に
鍋田さんの器に乗ったニョッキ・ジネベーゼが出る
美しい
うまい
思わず「おかわり」と言いかけて
すでに満腹になっていることに気づいた

親方は
「珠美が世話になったお礼」
と言う
お礼ならもうじゅうぶんいただいたのに・・・
ああ
ありがたすぎて涙が出そうだが
涙をこらえて
ありがたく気持ちをいただいた
それにしても
こんなに
うまいものを食い
こんなに
うまい酒を飲み
こんなに
いい気持ちで喋ったことがあっただろうか
仙台に来てよかった


帰りのタクシー運転手さんが
親方の自慢を始めたので驚いた
「親方は山菜採りの名人ですよ」
知ってたけど
「へえ、そうなんですか」
と話を合わせておいた


いつか神戸か宝塚に
じねんぼうの支店の出店を望む!
イタリアンメインで
「オステリア・ジネリーノ」
てのはどう?


by ikasasikuy | 2007-09-28 21:26 | 食文化論 | Comments(6)
2007年 09月 17日
四角いフランスパン
隕石に見えるが隕石ではない
四角いフランスパンである
娘の親友、つかもとよっこが作ったフランスパンだ

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よっこ作・四角いフランスパン OLYMPUS E-410


四角いといえば四角いが
角がないので丸いともいえる
つまり
限りなく球に近い立方体である
こんなフランスパンは見たことがない

お味のほうはというと
なんとこれが
ちゃんとフランスパンなのだ
さっそく
朝ごはんにいただく
トーストして
マーガリンをぬって
スモークサーモンと牛のスライスチーズをのせて
がぶりとほおばる
お!
イケルじゃないか!
イケルじゃないか!

のこったぶんを修行場へ持っていって
お昼ごはんに
レトルトカレーでカレークロスチーノにしよう

わははー
よっさんのおかげで
二食分助かってしもたがな
おおきにべりまっち

by ikasasikuy | 2007-09-17 19:50 | 食文化論 | Comments(4)
2007年 09月 06日
Rizotto
ジェノベーゼは最高のパスタソースだが
クロスチーニのようにパンにぬってもうまい
ということは
当然ごはんにも合うはずだ

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リゾットジネベーゼ OLYMPUS E-410


しかし
炊きたてのごはんに乗せて食べるなら
辛子明太子には敵わない
辛子明太子はごはんの友の世界チャンピヨンだ
もちろん他にも
雲丹、イクラ、鮪の中落ち、かに味噌、釜揚げシラス、酒盗、岩海苔・・(生卵を除く)などなど
白いごはんに合うものを語らせたら
日本人は世界一だ
だいいちイタリア人は辛子明太子など食わないし
そもそもアルカポネだって米を主食としていなかった
そこで
リゾットだ
つまり洋風雑炊である
これならきっとフィリッポインザーギも納得するだろう

まず
鍋にオリーブオイルを多めに浸し温める
刻んだタマネギとニンニクを焦げないように炒める
油に香りが移ったら洗ってない米を入れて
米を油に馴染ませながら軽く炒める
加熱したブイヨンを米がひたひたになるまで注ぎ茹でる
水分がなくなってきたらブイヨンを追加する
常に米がひたひたになるようにブイヨンを継ぎ足しながら炊き上げる
茹で具合はアルデンテだ
少し米の芯が残る感じがジャストである
つぎに
エビを細かく刻んでオリーブオイルで焦がさないように炒める
仕上げに白ワインでフランベして
茹で上がったリゾットに加える
同じくピーマンを細かく刻み生のまま加える
ジネベーゼを好みに応じて加え
塩、胡椒で味を整えながらよくかき混ぜる
できあがり
パルメザンやペコリーノを削ってふりかけてもよい
簡単だ

しかも
死ぬほどマイウーだ
白粥に梅干・・・という人も是非一度お試しを

by ikasasikuy | 2007-09-06 16:11 | 食文化論 | Comments(10)
2007年 08月 31日
Coffee Jelly
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我が家の珈琲ジェリー OLYMPUS E-410

我が家の珈琲ジェリーである
ゼリーではなくジェリーと発音する
妻が作ったものである
少し硬い
いや
かなり歯応えがある
甘味はほとんどない
したがって
お世辞にも美味いとは言えない
むしろ不味いという意見もある
しかし
そんなことは口が裂けても言えない
黙って食べるのである
もっとも
上等の珈琲豆と
上質のゼラチンを使ったからといって
美味しい珈琲ジェリーができるとは限らない

珈琲ジェリーに
フレッシュミルクや
ホイップクリームなどをかけてはイケナイ
このまま食べるのである
のどがつまるかもしれない
窒息するのではないかという指摘もある
それでも
これが我が家の珈琲ジェリーであるから
どうすることもできないのである


by ikasasikuy | 2007-08-31 10:10 | 食文化論 | Comments(12)
2007年 08月 24日
うまいもんはうまい
じねんおやかたからのおくりものである
ありがたくいただくのである

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うまいもんはうまい OLYMPUS E-410


きれいにしょりされ
ていねいにからにもどされている
みめもうつくしいしょくにんわざだ
そして
からみつくうまさ
ひとはだれも
うまいものをくちにしたとき
しあわせになれる
そして
ことばをうしない
ただただ
よいしれるのみである

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うまいもんはうまい OLYMPUS E-410


じかんをかけて
だいこんとともにさかむしにされている
そざいのうまみがぎゅっとぎょうしゅくされている
そして
しみいるうまさ
よのなかに
うまいものがあるかぎり
まだまだしぬわけにはいかないとおもうのである
それが
みれんなのか
たんきゅうしんなのか
いずれにしろ
うまいもんはうまい
ただただそれだけなのである

by ikasasikuy | 2007-08-24 17:56 | 食文化論 | Comments(14)
2007年 08月 18日
豆腐百珍
少し前
じねん親方が
豆腐百珍のことを書いておられた
豆腐料理を百種類示した料理レシピ本だ
それら江戸時代の料理本を集めた百珍集がこれである

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料理百珍集 OLYMPUS E-410


豆腐百珍
豆腐百珍続編
豆腐百珍餘録
鯛百珍料理秘密箱
玉子百珍
柚珍秘密箱
甘藷百珍
海鰻百珍
蒟蒻百珍
などなどが収録されている
(玉子百珍はどうかと思うが)
ここには収録されていないが、ほかにも百珍物は数多く発刊されている
この手の料理本は天明二年から弘化三年の間
つまり1782年から1846年という短期間に次々に出版されているところが面白い
享保改革などによって徳川幕府の支配体制が動揺し
倹約、質素を旨とする法令が有名無実になったことと関係が深い
それまでの日本人の食生活は食べるのがやっとで
楽しむまでには至らなかった
大衆が贅沢を覚えたのがこの時代だということだ

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料理百珍集 OLYMPUS E-410


ざっと以下のようなことが記されている


豆腐百珍・六「高津湯とうふ」
  絹ごしとうふを用い、
  湯烹して、
  熱葛あんかけ、芥子おく。
   又、南禅寺ともいふ。
   大坂高津の廟の境内に、湯とうふ家三、四軒あり。
   其料に用ゆ豆腐家、門前に一軒あり。
   和国第一品の妙製なり。
   京師に南禅寺とうふあり。
   江戸浅草に華蔵院といふとうふあり。


豆腐百珍・九十二「別山焼」
  温飯を手にて少しもむ。
  是にて、後に串にさす時くだけぬ也。
  さて小さくつくね、
  胡椒味噌につつみ、
  串にさし、少し焼て、
  温めをきたる小奈良茶碗に、二ツ入れ、
  烹調よきうどん豆腐を、羅匕にてすくひ、ざぶりとかける也。
   別山は禅師の名なるよし。

豆腐百珍続編・四十九「霞とうふ」
  豆腐水をしぼり、
  擦菜服、亦よく水をしぼり、
  尤、とうふ六分に、菜服四分よくすりまぜ、
  沸たる湯へ匕ひいるれば、よくよるなり。
  羅匕にてすくひ、
  碗中へ浅草紫菜少しいれ、
  生の煮かへし豆油に番椒の末いる。
   菜服=だいこん、匕ひ=すくい、羅匕=あみじゃくし、番椒=とうがらし

豆腐百珍餘録・二「菖蒲豆婦」
  豆腐、角に取、
  四方を焼
  (焼やう青竹の串へ乗、つよからぬ火にて、打返し、打返し焼べし)
  古酒にて能煮たる上、醤油を入る也。
  こしあんを掛たる物也。
  (こしあんは好悪により砂糖を入さるも有へし)


どれもこれも
無駄を割愛しつつも
微に入り細に入り懇切に説明されている
文章でわかりにくい部分は挿絵も書き加えられていて
それを見るだけでも面白い
ただし
古い仮名遣い多につき
読み辛ひことこのうへなし也

by ikasasikuy | 2007-08-18 12:30 | 食文化論 | Comments(6)
2007年 08月 05日
八幡屋礒五郎
おなじみ
八幡屋礒五郎である
善光寺参りのお土産はこれ以外にない
というほど知名度は高い

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七味も絶品だが
前にパパラギさんにもらった新製品
「七味ごま」にはまっている
麻薬的魅力は筆舌に尽くし難い
大きな缶入りがあっというまになくなってしまった
買いに走らねばならない
しかし
唐辛子を買いにわざわざ信濃の国まで行くのは酔狂が過ぎるし
善光寺参りをするという隣人が現われるのを待っていたら
人生が終了してしまうことは間違いない

もちろん今はネットで買える
買い物の形態も変わってしまった
売り手と買い手のハートトゥハートな関係は皆無に等しい

北海道の音威子府蕎麦も
越中富山の大門素麺も
石川の加賀鳶山廃純米超辛口も
京都丹後の竹中缶詰のオイルサーディンも
大阪のヒシウメソースも
大分の無農薬バジルペーストも
琉球のこーれーぐーすもシークヮーサーも

なんでもかんでも居ながらにして手に入る
ワンクリックで手に入る
便利さと引き換えに
ありがたみを失いながら

by ikasasikuy | 2007-08-05 21:51 | 食文化論 | Comments(2)
2007年 08月 03日
鯵のマリネ
小さなアジである
つまり
小アジなのだが
船頭は豆アジと言う

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シカノセのマメアジ Fuji FinePix F30


これをマリネにする
ついつい南蛮漬けと言いそうになるが
白葱を使わないので南蛮漬けではない
あくまでもマリネである
これはとても重要なことだ

アタマを付けたまま
鱗、鰓、腸を取って薄い塩水できれいに洗う
水気をきり
小麦粉をまぶし
中温に熱した紅花油でしっかり揚げる
揚げたてを
玉葱の薄切り
人参の千切り
ピーマンの横千切りといっしょに
鰹出汁
林檎酢
醤油
味醂
砂糖
赤唐辛子を合わせたマリネ液に漬ける
(マリネ液の製作は妻担当)
冷蔵庫で二日寝かせる
できあがり

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自作・鯵のマリネ OLYMPUS E-410



見てくれはイマイチだが
これがなかなか美味い
酢と油が魚の旨味を上手に引き出している
夏を感じさせる御馳走だ

さて
鯵のマリネ
極上の葡萄酒でいただきたいところだが
極上のワインは高いので止める
それなら
芋焼酎のロックといきたいところだが
マリネの酸味が芋焼酎の甘味を嫌うのか
どうもシックリとこない
そこで結論だ
実は
鯵のマリネにはキリッと冷えたハイボールが一番合う
(ウソじゃありゃせんホンマじゃで)
しかしまあ
酒など好みの問題だ
飲みたい酒を
飲みたいときに
飲みたいだけ
飲めばよい

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マリネにはハイボールだ OLYMPUS E-410


よし
こんどはもっとたくさん釣ってこよう

by ikasasikuy | 2007-08-03 21:12 | 食文化論 | Comments(6)
2007年 08月 02日
柿の種
元祖・柿の種である
さる妙齢の女性からいただいた
ボクはこのてのおかきが大好きだ
「おおきにありがと」


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元祖・柿の種 OLYMPUS E-410


なんともレトロでお洒落な金属缶に入っている
描かれているヱが郷愁を誘う
こういう缶はふたが非常に開けにくい
指で無理にあけようとすると爪をはぐおそれがある
金属製のふたの密閉力は非常に強力だ
中身を湿気から守るための工夫だ
このふたの形状
しまり具合
昔の人の叡智が伺われる

そういえば
サクマのドロップもこんなふた付きの金属缶入だった
子供の力ではあけられなかった
子供から菓子を守るための大人の陰謀かと思ったものだ
いまは
子供でも簡単に開けられるポリエチレン製の袋になっている
しかも
湿っけないようにジッパー付きが主流だ
ぴゃっと引っ張ると
がばっと開く
風情が無いのも甚だしい

鋏や箆を使って
苦労しながらなんとかふたをこじ開けた
「パコン」
という軽やかな音がしてふたが外れた
そしてようやく中身が現われた
うむ
この面倒くささがいいのだ
ところが
なんと
缶の中の柿の種は
さらにジッパー付きのポリ袋に入っているではないか

なんだそりゃ・・・

by ikasasikuy | 2007-08-02 18:34 | 食文化論 | Comments(15)