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2007年 02月 28日
LAKE HARUMI
親方と釣りをした石巻港に
パナマ船籍の貨物船が荷下ろしをしていた
"LAKE HARUMI"
・・・はるみ
日本語のような湖の名前が付けられた船だ

Lake Harumi
55,000t
Panama
Belships Management ASA 9304112
Carrier February 20, 2007

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石巻工業港 レイクハルミ丸
Rollei 35s Sonnar 40mm F2.8


ローライで撮ると
海の色も空の色もキリリとした青になる
ちょっとドキッとする青だが
好きだ

朝は氷点下5℃だった石巻も
昼には+12℃になって
雲ひとつない空は春霞がかかったように白んだ
実際の空の色は
デジタルカメラの画像の方が近いかもしれない
それでも
ボクはローライの青の方が好きだ

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LAKE HARUMI Belships Management
Fuji FinePix F30


暖冬とはいえ
早朝の寒さはさすがに東北地方だ
この朝
両手の指すべてが凍傷になった
左手は漸く癒えたが
ロッドを握っていた右手はまだ痺れが残っている
指先の神経がやられたようだ
あれから一週間経って
右手の中指、薬指、小指がまだ痺れる
ギターが弾きにくい

by ikasasikuy | 2007-02-28 11:16 | 光学機器・写真学
2007年 02月 27日
な也
「ここが王子の一休の根城でございます」
「寿司屋ではないか」
「寿司屋の看板は隠れ蓑、実は盗人宿にございます」
「ほぉ、よくぞ調べあげたな」
「へい、ここで御禁制の品も扱っているようで」
「例の神戸パンクスTシャツとかいうものか」
「さようにございます」
「ふうむ、なるほど」

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王子の一休の根城「寿し源本店」
中の様子をうかがう和田山の蓑吉


時刻は四ツ半であった
ほかの商店が軒並み商いを始めているというのに
一休の根城「寿し源」は表戸を閉ざしている
これは明らかにおかしい

「蓑吉!裏口へ回れ!」

和田山の蓑吉は捕り方三名と裏口へ回った

「長谷川様!もぬけの殻でございます」
「しまった、またも逃げられたか」
「も、申し訳もございません、昨日は確かにここに居たのですが」
「どうやらこちらの動きを気取られたようじゃな」
「はぁ・・・」

この日、平蔵は
灘の水道筋を根城にする盗賊
王子の一休(おうじのいっきゅう)の捕縛にあたっていた
これまでに二度
一休を捕り逃がしている平蔵である
今日こそお縄にせねば平蔵の威信に関わる
しかし
またしても逃げられた・・・

一休の勘働きの鋭さは定評があった
身の危険を敏感に感じ取り
いつも寸でのところでスルリと逃げてしまう
したがって
一休はこれまで一度もお縄にかかったことがない

「長谷川様、いかがいたしましょう」
「一休のやつはもうこの辺りは居まいよ」
「はぁ」
「慌てても仕方がない、こうなれば飯でも食いに行くか」
「この辺りにうまいカレーうどん屋があると聞いておりますが」
「ふふふ、知っておったか」

水道筋を東から西へ
なかほどあたりにその店「な也」はあった

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商店街のうどん屋にしては高級感のある「な也」の入り口


まだ九ツ前だが
広い店内は客でごった返していた

若い女中が茶を運んできた

「いらっしゃいませー」
「この店、なかなか繁盛しておるな」
「おかげさまでご贔屓いただいておりますです」
「うむ、スジカレーうどんをたのむ」
「かしこまりましてございます、こちらのお客様は」
「えーと」
「お前も同じものにしておけ」
「へ、へい」
「かしこまりましてございます」

待つこと十分
注文したスジカレーうどんが運ばれてきた

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見るからに濃いそうなカレー出汁
いわゆるコッテリ系のカレーうどんである
まず出汁をひとすすり

「うむ、案の定濃いな」

カレーの辛さはちょうど良いが
出汁が重くのど越しも悪い
和風出汁がいまいち効いていない
ほどよく煮込まれたスジ肉がごろごろ入っているが
特筆すべきものはなにも見当たらない
ごくありふれたカレーうどん出汁である

つぎに麺をひとすすり

「うむ、案の定硬いな」

これは完全な讃岐系である
コシが強く張りがある
噛むと歯を押し返すほどの弾力がある
ぶっかけうどんなら申し分ないであろう
しかし
これはカレーうどんの麺ではない
カレー出汁がまったく絡まないのである


「蓑吉、どうじゃ」
「あっしは麺はこれぐらいが・・・」
「そうであろうな、おまえは田舎者だからのぅ」
「しかし長谷川様、この出汁はちょっと」
「コクがありすぎるか」
「のどを通りませぬ」

平蔵は落胆した
王子の一休を捕り逃がしたこともあったが
期待していたカレーうどんがこれでは
なんのためにここまで来たのか

「やはり神戸にはうまいカレーうどんはないのかのぉ」
「さようでございますねぇ、やはり味は逢坂かと・・・」

肩を落としつつ歩く二人の肩に
暖かい春の風が吹き抜けた

by ikasasikuy | 2007-02-27 11:19 | カレーうどん改メ
2007年 02月 26日
王子動物園
神戸王子動物園の看板スター
象の諏訪子1943年生まれ
今年64歳になる日本最高齢の象だ

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「スワコ姐さん、こんにちわ」
「あら、だれかと思たらささきはんやおまへんの」
「おひさしぶりでんな、どないです」
「どないもこないもおまっかいな、わたえはもう歳やさかいなぁ」
「歳て、まだ60過ぎたとこでんがな」
「なにゆうたはりますねん、あちこち痛んでどんなりまへんわ」
「姐さん、この頃は表へ出まへんねんな」
「さいな、お日いさんがまぶしてあきめへん」
「家ん中ばっかりおらんと、たまには表へ出てこなあきまへんで」
「まあ、もうちょっと温うなったら出まっさ」
「そうでっか、一年でも二年でも長生きしとくなはれや」
「へぇ、おおきに、せいだい長生きさせてもらいまっせ」

相変わらず口は達者だが
諏訪子の体は確実に弱っているようだ
少しでも長生きしてほしいと願うばかりである

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表の運動場には
マック(左=1992年生まれ)と、ズゼ(1990年生まれ)の二頭が
仲良くひなたぼっこをしていた

「マックくん」
「あ、ささきさん、こんちわ」
「ズゼちゃんと仲良うやってるか」
「はい、仲良うやってます」
「そらええこっちゃ」
「さきさんの横にいてはるオッサン、だれですのん」
「これか、これが和田山の蓑吉や」
「え、このひとが蓑吉さんですか、おもろい顔してますね」
「ははは、キミもそう思うか」
「思います」

「ズゼちゃん、元気?」
「あら、ささきさん、ごぶさたしてます」
「ははは、ズゼちゃんはいつ見てもベッピンさんやなぁ」
「いややわぁもう、てれますやんか」
「マックくん、優しぃしてくれてるか」
「ええ、マックくん、めっちゃ優しんですよ」
「そうかいな、そらよかった,はよズゼちゃんの赤ちゃん見たいなぁ」
「そんなー、赤ちゃんなんてまだですよー」
「わははー、がんばってやー」
「そんなおっきぃ声でゆわんといてよし」
「わははー」

園内には梅の花が香っていた
初はもうすぐそこ’までやってきている
日だまりのベンチに腰を下ろして
象と語り合った
空は青く
風もなく
ぽかぽかと心まで暖まる一日であった

by ikasasikuy | 2007-02-26 11:27 | 動物学
2007年 02月 25日
sky blue
ただいま当機は山梨県の上空を・・・
というアナウンスを聞いて
あわててカメラを用意したのだが
富士山はすでに通り過ぎてしまったのか
雲の向こうに冠雪した連山が垣間見えただけだった


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逢坂から陸奥国へ向かう道中で
Fuji FinePix F30



雲の上の空はなんでこんなに深い青なのだろう
地上から観た空の色とはまったくちがう

by ikasasikuy | 2007-02-25 11:25 | 光学機器・写真学
2007年 02月 24日
jinenbo style curry udon
じねん寅ノ巻を熟読すると
「親方は割烹仕込みのガチガチ職人だが、イタリアン好き」
とある
和食屋でありながら
イタリアンにも手を染める
いや
それだけではない
和食屋は絶対に作らないカレーうどんまで作るというから
長谷川平蔵も
「これは捨て置けぬ」
ということになる

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予約は三日前に済ませておかねばならない
なにしろ麺の仕込みに二日はかかるのである
さて
味はいかがなものであろう

 池波正太郎「平蔵殿、お邪魔しますぞ」
 長谷川平蔵「おお、これは池波先生、ようこそお越し下さいました」

時は平成十九年二月二十四日
所はカレーうどん改方役宅である
池波は平蔵の顔を見るや

 池「食いましたかな」
 平「はい、食いましてございます」
 池「して、味はどうじゃった」
 平「それが・・・」
 池「それが?」
 平「じつは・・・」
 池「じつは?」

平蔵はなかなか切り出さなかった
勿体を付けているわけではない
言葉を選んでいるのである
しかし
平蔵にはうまい言葉が見つからなかった

 平「有り体に申しますと・・・」
 池「ふむふむ」
 平「あれはカレーうどんではござりませぬよ」
 池「ほぉ、それはどういうことじゃな」
 平「つまり・・・」
 池「つまり?」
 平「はい、あれは別のジャングルにございます」
 池「ジャ、ジャングル?」
 平「あ、いや、ジャンルです、ジャンル」
 池「ほぉ、別のジャンルとな」
 平「さよう」

平蔵は大胆にもじねん親方のカレーうどんを
「カレーうどんではない」と言い放った
池波も予期せぬではなかったが
さすがに驚いた

 池「さすれば、なんと呼ぶべきかの」
 平「雲呑入りビーフカレーシチュウ,にございます」
 池「ふうむ、なるほど、つまり和の要素はないと申すのじゃな」
 平「ござりませぬ」
 池「ふうむ・・・」
 平「先生は天満橋・香月のハーブカレーうどんをご存知でしょうか」
 池「知っておる,非常に美味いものじゃった」
 平「あれをどうお考えになります」
 池「ふむ、たしかにあれをカレーうどんとは呼べぬな」
 平「しかし、美味い」
 池「さよう、さよう、とても美味い」
 平「じねんぼう作も同様にございます」

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スープのコクは
じっくり煮込まれた牛スジであろうか
スネ肉をたっぷり使ってさらにスープに厚みを出している
野菜は原型を留めぬまで煮込まれ絶妙の甘味を醸し
カレールゥの辛味と見事に対峙している
麺は
熟成させた生地をピーラーで削り落とすという
中国の刀削麺のアイデアを用いている
平たくぺろぺろした麺がカレースープに見事に融合している

 池「なるほど、なるほど」
 平「極めて美味にござります」
 池「さようか、さようか」
 平「先生も是非いちど」
 池「うむ、是非いちど試してみたいものじゃな」
 平「三日前に予約をお忘れになりませぬよう」
 池「うむ、心得た」
 平「じつは・・・」
 池「じつは?」
 平「それがし、二杯も喰らいましてございます」
 池「なに、二杯も」
 平「恥ずかしながら」
 池「ふふふふふ」
 平「ははははは」

by ikasasikuy | 2007-02-24 11:32 | カレーうどん改メ
2007年 02月 23日
巳乱の卯之助
密偵、巳乱の卯之助(みらんのうのすけ)

知る人ぞ知る
東北根魚大全(東北ロックフィッシュ大攻略・廣済堂)の編集人
宇野章則である

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本の編集という仕事は
一見面白そうに見えて実は過酷である
読者は恐らく気付かないだろうが
これはなまなかなことではできない作業なのだ
肉体に鞭打ち
神経をすり減らし
やっと出来上がった本も
脚光を浴びるのはライターばかりで
エディターに対する評価は皆無に等しい
常に裏方なのである

少年の頃から本が好きで
エディターになるかライターになるか
さんざん迷った挙げ句
結局どっちにもなれなかったボクである
したがって
独りで東北根魚大全を作った巳乱の卯之助は
尊敬に値する

さて
それならば
根魚大全の作者が根魚釣りの名ガイドであるかというと
それは一概には言えない
名選手、必ずしも名監督に非ずということもある
それに
なにしろ自然が相手の遊びである
絶対ということなど絶対にない
しかし
それにしても
アタリの「ア」の字もないとはなぁ・・・

by ikasasikuy | 2007-02-23 11:32 | 釣り文化総論
2007年 02月 22日
take koppuda
引き続き
じねん親方である
ボッケ釣らずの二日目の夜
広瀬通から地下鉄に乗って「じねんぼう」へ行った
じねん親方作タケコップダーを2ついただいた
長いのと短いの
なんと!
@ngling netのトレードマーク「なまず」が
焼き印のようにデザインされている
おまけにネーム入りだ
実に素晴らしい

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長い方はビヤグラスだが
ボクは薩摩の一滴用のロックグラスにしてみた
飲み口が絶妙の厚みに仕上げられている
これは飲みやすい!
見事な仕事だ
バカラの高価なグラスがばからしく思える

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短い方は湯呑みだ
普?茶を飲んでみる
熱湯で出した普?茶だが
素材が竹ゆえ
すぐに唇をつけても火傷することはない
これは飲みやすい!
見事な仕事だ
百済焼きの高価な茶器がくだらなく思える


昔々
三田の鈴鹿に鱒釣りにいったとき
もう故人になられた城谷の親っさんを訊ねたことがあった
農閑期は竹細工師になる親っさんは
「おお、よぉきたなぁ」
と言いながら
竹を
割ったり
裂いたり
切ったり
削ったり
磨いたり
しつつ世間話を楽しんでおられた
その間、親っさんの手が休むことはなかった


じねんぼうの女将さんに言によれば
親方は「休まない」のだそうだ
常に「動いている」のだそうだ
なるほど
それが職人というものだろう
休みの日だからといって
ボクのようにテレビを見ながらゴロゴロすることはない
こうやって
竹細工をしたり
野外遊びの道具を拵えたり
何かしらしつつ動いているのだそうだ

by ikasasikuy | 2007-02-22 11:33 | 美術工芸
2007年 02月 21日
石巻の根魚釣り
友よ
これが泣く子も笑う「じねん親方」だ
知ってるひとは知っている
知らないひとは覚えてね

本日の根魚釣りガイドである
大胆かつ繊細
懐の深いほいじょ人だ

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 ボッケをあきらめドンコに転戦する親方


「航空自衛隊が頭上で爆音を轟かせていたから」
とか
「今年は異常な暖冬だから」
とか
理由を探せばいくらでもある
しかし
言い訳はしない
釣り人の言い訳ほどミットモナイものはないからだ
潔く敗北を認める
決して悪あがきなどしない
それが「じねん流」なのである


朝一番
外気温は氷点下5℃
家庭用冷凍庫並の気温だ
クルマに乗ると前が見えない
フロントガラスがビシビシに凍っている
それをクレジットカードでかき落とし
いざ出発

石巻は港町だ
見渡す限りぜんぶ港だ
親方がはるか彼方を指差した
沖に2キロ突き出た大波止の先端だ
赤灯は朝もやにかすんでいる
「あそこまで歩くのか・・・」
「あそこまで歩くのだ」

途中
波止が一段低くなっていて
波がひざの高さまで洗っている
チェストハイウエーダーを装着する
 じゃぶじゃぶじゃぶじゃぶ
 じゃぶじゃぶじゃぶじゃぶ
海の中を突き進む
どう見ても波止釣りには見えない

イマムラさんも参加している
「イマムラです」
「ササキです」
もちろんボクは初対面だ
しかし
昔から知っている人のようだ
なぜだろう
しまった
イマムラさんの写真を撮り忘れた

ようやく一行総勢三名は
先端の一段高くなったところに到着した
振り返ると
歩いてきた波止の付け根あたりがかすんでいる
さあ
釣り開始だ
指の感覚はすでにない
アタリの「ア」の字もない
空は真っ青だ
東の空に朝日が昇る
戦闘機が頭上を舞う
シャケおにぎりがうまい
タラコおにぎりがうまい
ああ
幸せだ
幸せだ

by ikasasikuy | 2007-02-21 11:56 | 釣魚小全
2007年 02月 20日
東北根魚大全
2007/2/20

「description of rock fish strenuous efforts」   
この日のガイドは
東北根魚大全(東北ロックフィッシュ大攻略・廣済堂)の編集人
宇野章則である
「東北の根魚は宇野に訊け」
の宇野章則である
彼がガイドをするからは
「大船に乗ったつもりでいなさい」
の宇野章則なのだ


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糸月が夕日を追って西の空に浮かぶ鮎川漁港
Fuji FinePix F30



天気は快晴だった
東北の2月とは思えない温かな一日だった
しかし
なぜかボクらは根魚に見放されていた
ボッケはおろかベッコーもネウも姿を見せなかった
厳寒期の三陸海岸は根魚天国だという
たしかにそれはウソではない
しかし
何事においてもそうだが
こと、釣りに関しては
絶対ということなど絶対にない

ボクらは
本日最後のポイント、牡鹿半島・鮎川漁港にやってきた

「釣りですか?」

ボクが釣りの準備をしていると
背後から声がした
振り向くと、そこには小さなお婆さんが立っていた

「はい、釣りです」
「釣れるかね」
「さて、どうですかね」

会話はそこで終わると思った
しかし、そうではなかった
お婆さんはニコニコしながらボクの釣りを見ている

「疑似餌だね、それ」
「あ、そうです」
「わたしはアオイソメだよ」
「え?」
「アオイソメ、知らね?」
「いえ、知ってますけど、お婆さん釣りしはるんですか」
「するよぅ」
「へえ」
「釣りは面白いね、やめらんねべ、そんでね?」
「はいはい、そうです、そうです」
「そこさ、あんたさんがやってるとこ、38cm釣ったよ」
「え? ここで? ボッケ?」
「アイナメだよ、去年の11月のほれ、地震のあった日さ」
「へええ」
「ひいたよ、ものすごく、あはははは」


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根魚釣りの魅力を語る鮎川の女流釣師



お婆さんは41cmのアイナメも釣ったことがあると自慢話を始めた
釣りの話をするお婆さんの目から
そのときの感動と興奮が伝わってきた
釣り人というものは
老若男女を問わずみなこうである
しばし、お婆さんと釣り談義を交わす

「わたし、リール使わねんだよ、ヘチばっか」
「へぇ、ヘチでそんなでかいのが釣れるんですか」
「釣れるよ」
「釣れますか」
「リールは肩こるんだよ、重いしね」
「なるほど」
「脈釣りだからね、浮子も使わねえし、簡単だよ」
「へええ」
「最初はハリ結べねんで、魚市場のひとにしてもらってたんだよ」
「ふうん」
「そのうち見よう見まねでおぼえたけどね、ははは」
「そうですか」
「あんたさんどっから来たの?」
「宝塚です、兵庫県」
「宝塚知ってるよ、息子がいま神戸に住んでんだ」
「へえ、そうですか」
「シブサワソウコだよ」
「へええ」
「大阪も宝塚も行ったけど、やっぱりここがいいね」
「そうですか」
「生まれはここでねんだけど、もう長くいるからここが故郷だね」

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「わたし今年86だよ」
「へええ」
「でも魚釣りは20年だよ、若いときはしねえなあ」
「ボクは50年釣りやってます」
「へえ、先生だな」
「まあ、そうですね」
「あははは」
「わははは」
「わたしは魚釣りだけど、ここの年寄りはゲートボールだよみんな」
「ふうん」
「あれね、やったことあんだけど面白くねえもん」
「やっぱり釣りが面白い?」
「そだよぉ、魚がひいたときは気持ちがいい」
「わははは」
「あははは」

気が付くと日はとっぷりと暮れていた
紫紺の空はやがて漆黒の闇になろうとしていた
ボッケは釣れなかった
しかし
素敵な一日だった

by ikasasikuy | 2007-02-20 11:58 | 釣魚小全 | Comments(19)
2007年 02月 19日
うを清
三ノ宮の高架下に中古カメラ屋がある
今まで気付かなかった
ということは最近できた店なのか


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うを清」 (FujiFinePixF30)



レンズのない中古ライカがいっぱい並んでいる
レンズがないくせにみな目をむくほどの値段が付いている
これ1台で
欲しいギターが2台買える
「あはは」
と笑って店を出た
ほんとうに
「あはは」
という値段なのだ
なにしろL48とCalifornia Girlだ
なんでこんなに高いのかはわからなかったが
値打ちのわからない者が手にするモノではないということだけはよくわかった

by ikasasikuy | 2007-02-19 12:01 | 光学機器・写真学