<   2007年 09月 ( 30 )   > この月の画像一覧

2007年 09月 30日
松島
宮城県宮城郡松島町
陸奥松島

c0120913_22183697.jpg
雄島の松林越しに松島湾を臨む OLYMPUS E-410



 松島や
 ああ松島や
 松島や

松尾芭蕉が松島を訪れたとき
その絶景を見て詠んだ句と思われている
しかし実際は
松島のあまりの美しさに芭蕉は絶句したらしい
つまり言葉が出なかったという

開高健は
うまいものを前にして
「筆舌に尽くしがたい」
などと言うのは
物書きとして失格だと言った
つまり
松尾芭蕉は俳人として失格だ

代わりに
弟子の河合曾良(ないとうそらではない)が

 松島や
 鶴に身をかれ
 ほととぎす

と詠んだらしい
いずれ古いことなので定かでないが
曾良はたいしたやつだ

陸奥松島は
江戸時代より日本三景の一とされている
つまり

丹後天橋立
陸奥松島
安芸厳島(宮島)

の三ヶ所である
いずれもなんどか訪れたが
「はて・・・?」
というのが正直な感想だ

北海道の大沼
静岡県の三保の松原
大分県の耶馬渓が日本三景だという新たな説もあるが
それなら
杉津のパーキングからみる敦賀湾も加えてほしいし
砂だらけの鳥取砂丘も極めて美しい
なにも
無理に三つにしぼらなくてもよいものを
なんでもかんでも三つ並べるのが好きなニッポン人だ

富士山
立山
白山を三霊山と奉ったり

那智
華厳
袋田を三名瀑と呼んだり

有馬
草津
下呂を三名泉と言ったり

とかく「三」にこだわる
那覇の守礼門、高知の播磨屋橋、札幌の時計台の三ヶ所を
日本三大がっかり名所だと言いふらす不届者までいる
礼を守る門に対して失礼にもホドがある

さて
二度目の松島は雨だった
初めて来たときは吹雪だった
どう見ても
鉛色の空に松の緑は似合わない
いつかまた
天気の良い日に訪ねようと思う

by ikasasikuy | 2007-09-30 22:18 | 自然科学
2007年 09月 29日
マリンピア松島
ボッケが釣れなかった次の朝
岩魚釣りに行こうという親方のお誘いを辞退して
ボクは筋肉痛に悲鳴をあげる両足を引きずりながら松島へ行った
二月に来たときは横殴りの雪でゆっくりできなかったからだ

c0120913_2220343.jpg
礼儀正しいペンギン
OLYMPUS E-410


目的はマリンピア松島
水族館だ
入り口でペンギンが深々とお辞儀をして迎えてくれる
なんと礼儀正しいペンギンだ

こじんまりした水族館だが
展示内容は充実している
しかし
それにしても
すごいヒトだ
保育園
幼稚園
小学校
館内は子供だらけ
かるく1000人以上はいる
くちぐちに嬌声を発している
鼓膜がビリビリと音を立てて破れそうだ
「きゃぁー」
「きゃぁー」
女の子はどうしてあんなに金切り声をあげるのだろう
その声でボクは脳みそが沸騰しそうになる
おまけに
走り回る
ひとにぶつかる
転ぶ
泣き叫ぶ
まるで嵐だ

ところが
しばらくすると急に静かになった
走り回る子供がいなくなった
なぜかと思って見てみると
飯を食っているのだ

c0120913_222031100.jpg
お弁当を食べる子供たち
OLYMPUS E-410


口いっぱいにほおばっているので
金切り声があげられないのだ

「ずっと食ってろ」

と思った
ようやくゆっくり展示を見て回れるようになった

思うに
水族館や動物園は
午前中に来るものではない
静かに海洋生物を観察したければ
午後の閉園一時間前に来るべきだ


ボクはずっとボッケを探していた
アイナメ
ベッコウゾイ
クロソイ
メバル
マゴチ
ヒラメ
おおよそ三陸海岸に棲む根魚は展示されていた
しかし
ボッケはなかなか見つからなかった
なぜだ

c0120913_22205134.jpg
ボッケ?
OLYMPUS E-410



そうか
ボッケはマイナーな魚なのだ
あきらめて帰りかけたとき
大きな混泳水槽の片隅に岩のようなものが目にとまる
「ん?」
「おっ!」
顔がゴツゴツしている
体は水槽の角に隠れて見えないが
一見ボッケのようにも見える
展示魚のパネルを見たが紹介されていない魚だ
魚はときどき目を動かす以外微動だにしない
果たしてこれはボッケだろうか
いや待てよ
どうもくちびるのカンジがちがうな
目も少しちがうぞ
やっぱりボッケじゃないなこれは

そうか
ボクは水族館にもいない魚を釣ろうとしているのか・・・

by ikasasikuy | 2007-09-29 22:19 | アクアリウム | Comments(6)
2007年 09月 28日
仙台のうまい

夜通し釣りをして
へとへとになったボクに
じねん親方の最高のこころづくし

c0120913_2127813.jpg
うまさを凝縮した盛り OLYMPUS E-410


右上:金華さばのきずし
その下:いか肝のるいべ
ほかに
つぶがい、鮪、秋刀魚
テマヒマが口のなかに広がる昆布〆
うむむむ
いずれも絶品中の絶品
じねんぼう恐るべし

女将さんが選んでくれた酒
「土耕ん醸」がスルリとのどを通る
何も言うことがない
つまり
言葉を失う


c0120913_21272544.jpg
鯊は天ぷらがうまいねん OLYMPUS E-410


最後に食べたのはいつだったか・・・
思い出せないぐらい遠い記憶を
見事よみがえらせてくれた親方の釣果
広瀬川の河口だろうか

いろんなことを思い出しつつ
親方の鯊を噛みしめると
ほどけた身が記憶の狭間を泳ぐ
ボクのふるさと武庫川河口の風景が目に浮かぶ

「バケツいっぱいになるまで帰ってくるな」
死んだ父の言葉も同時によみがえる
正月の雑煮の出汁に使う鯊の干物をつまみ食いして
死んだ母に怒られたことも思い出す
ああ
まるで
夢を見ている夢を見ているようだ


c0120913_21274188.jpg
美しいうまい OLYMPUS E-410


突如、和食屋に香るイタリアン
「おっ、いきなりか」
と思ったら
香りはボクの後ろを通り過ぎていった
別の客のひと皿だった

最後に
鍋田さんの器に乗ったニョッキ・ジネベーゼが出る
美しい
うまい
思わず「おかわり」と言いかけて
すでに満腹になっていることに気づいた

親方は
「珠美が世話になったお礼」
と言う
お礼ならもうじゅうぶんいただいたのに・・・
ああ
ありがたすぎて涙が出そうだが
涙をこらえて
ありがたく気持ちをいただいた
それにしても
こんなに
うまいものを食い
こんなに
うまい酒を飲み
こんなに
いい気持ちで喋ったことがあっただろうか
仙台に来てよかった


帰りのタクシー運転手さんが
親方の自慢を始めたので驚いた
「親方は山菜採りの名人ですよ」
知ってたけど
「へえ、そうなんですか」
と話を合わせておいた


いつか神戸か宝塚に
じねんぼうの支店の出店を望む!
イタリアンメインで
「オステリア・ジネリーノ」
てのはどう?


by ikasasikuy | 2007-09-28 21:26 | 食文化論 | Comments(6)
2007年 09月 27日
ボッケフィッシング2
仙台から石巻、そして牡鹿半島へ
ホンダのBOONという不細工なクルマを借りて一気に走らせた
それにしても運転のしにくいクルマだ

c0120913_20232914.jpg
気が付くと夜が明けかけていた OLYMPUS E-410


鮎川を目指したが
乗物酔いの世界チャンピョンは
途中でグデングデンに酔ってしまった
明るいうちに鮎川に着きたかったが
胃袋が裏返りそうになって
とうとうたどり着けなかったのだ
鮎川のはるか手前
萩浜というところから釣りはじめることにした

萩浜港→桃の浦港→韮崎港→石巻漁港→旧北上川河口→石巻港

久しぶりに夜を徹して釣りをした
いつ来るか
いつ来るかと
ボッケの魚信に耳を傾けた
全神経を研ぎ澄ましてアタリを待った
しかし
ボッケは無言だった

時期尚早だ
まだ機は熟していないということだ

c0120913_193751.jpg
三陸海岸のちびメバル OLYMPUS E-410


手を変え
品を変え
ポイントを変え
18時間釣りをして
釣れたのは小さなメバルだけだった
東北で初めて釣った魚がこれだ
じつは
あまりのアタリのなさに
ついつい隠し持ってきたメバルタックルを出したのだった
「こんなん釣りにきたんちゃう・・・」
自己嫌悪に陥る

c0120913_205673.jpg
韮崎から石巻方面を望む OLYMPUS E-410


ああ
疲れ果てた
草臥れ果てた
ボクは石巻に背を向けて
来た道を戻った
また来よう
また来よう

by ikasasikuy | 2007-09-27 19:25 | 釣魚小全
2007年 09月 26日
ボッケフィッシング
c0120913_1437342.jpg
Jigging Rap Rapala OLYMPUS E-410



大阪のシマちゃんが
ボッケ必殺ルアーを教えてくれた

「アイスジグて知ってる?」
「ラパラのやつ?」
「そーそーラパラのやつ」
「使たことないけど」
「あれヱヱよ」
「ほんまぁ」
「ゆらゆらスライドして沈むねん」
「へえ」
「底におる魚一発で食うで」
「へえ」
「前と後ろと真ん中にハリついてるから一発やで」
「へえ」
「ボッケいちころや」
「へええ」

Jigging Rap Rapala
アイスジグとも言うらしい
さっそく4つ買う
シマちゃんによると
テールのフィンの効果で
ユラユラとスライドしながら沈んでいくので
海底から上を見上げている魚は一発で食うという
ルアーにアクションがつけにくい氷穴釣りに使うものではないかと想像する
しかも
前と後ろにシングルフックがついていて
ベリーにトリプルフックがついているので完璧だという
ボッケには特に効くらしい

しかし
よく聞けば
シマちゃんはボッケを釣ったことがないという
マカジカすら釣ったことがないらしい
それでも
シマちゃんはインデアンといっしょでウソをつかないので
ボクは信じることにした
信じる心は大事だ
これでボッケはもうボクのものだ


c0120913_1125322.jpg
シマちゃんは湾岸バトルのポスターのモデルにもなっている


子供の頃
近所のキリスト教会の青年団が
アコーデオンを奏で
大太鼓を打ち鳴らしながら
「信じるも〜のはみ〜な〜救わ〜れる」
と歌いながら行進していたのを思い出した
ボクらはその後ろから
空き缶などを打ち鳴らしながら
「信じるも〜のはみ〜な〜ダマさ〜れる」
と歌いながらついて歩いた
当時の子供は
ちんどん屋であろうと
ロバのパン屋であろうと
なんもかんでも音がするものの後ろをついて歩いたものだ

by ikasasikuy | 2007-09-26 10:33 | 漁具概論 | Comments(12)
2007年 09月 25日
加賀鳶
福光屋酒造「加賀鳶山廃純米超辛口」

c0120913_2093883.jpg
加賀鳶山廃純米超辛口 OLYMPUS E-410


石川県の良太くんにもらった石川県の酒
加賀鳶山廃純米超辛口だ
数ある清酒のなかで
ボクが一番うまいと思う酒である

決して出しゃばらず
控え目に料理を引き立てる
あらゆる和の食材にみごとに合う
清酒はこうでなくてはならない

良太くんはいいやつだ
いい酒をくれたから云うのではないが
いいやつだ
お礼にヤンバルクイナを一羽送っておこう


やさしい娘よ
かわいい娘よ
このラベルをよく憶えておくのだよ

by ikasasikuy | 2007-09-25 20:09 | 醗酵飲料学 | Comments(6)
2007年 09月 24日
杉津
目の前に茫洋と海が広がる
敦賀湾だ
日本海だ

c0120913_21512489.jpg
杉津P.A.から見下ろす敦賀湾 OLYMPUS E-410


杉津
すいづと読む
いままでに走ったことのある高速道路のパーキングエリアのなかで
最も眺めが良い場所だ
ボクはもうなんじゅっぺんもここから海を眺めたけれど
ぜんぜん見飽きない眺めだ
夕日が沈むころが最高だ


c0120913_21513935.jpg
レンズベビーで撮ってみる OLYMPUS E-410 with LensBaby


同じ風景を
レンズベビーを通して見てみると
また面白いヱになる
人物や近景を撮るのもいいけれど
こんな場所でも面白い
このレンズ
もう手放せない


この日は
フィルムカメラも持ってきた
こないだ買ったトリップサンジューゴだ

c0120913_2211322.jpg
 OLYMPUS TRIP-35


同じ風景なのに
レンズやカメラを変えただけで
こうも印象が変わるのだなぁ・・・
いや
カメラて面白いなぁ・・・

by ikasasikuy | 2007-09-24 10:19 | 光学機器・写真学 | Comments(4)
2007年 09月 23日
五箇山の夜 其の弐
北陸系の芸人に比べると
関西系のエンタテナーは決して芸達者とは言えない

c0120913_11465381.jpg
ヨコチンの長い長い夜 OLYMPUS E-410


しかし
それをカバーして余りあるパフォーマーぞろいだ
東ジュンペイ
稲妻屋キービー
和田山の蓑吉
ラドン奥村
日の出屋綿吉
久保コイチ
ボンビー横山
ヱンドレス森下・・・錚々たる面々だ
特に
ニグアンドサックスの会長、ボンビー横山は
東ジュンペイと並んでボクのイチオシだ
その卓越したパフォーマンスは群を抜いている
なにしろ
一瞬にして自我を捨てきれる技を持っているのは強い
いや
技というよりこれは酒癖かもしれない
この腰の落とし具合を見れば
どれほど酒毒におかされているかがよく分かる
じつに頼もしい
何を置いてもこれだけは一見の価値がある

c0120913_11472321.jpg
長い夜を熱唱する横山会長 OLYMPUS E-410


なにぶんこの顔である
カッコをつけようとしてもつけようがないではないか

ボンビーヨコヤマのブログ「びんぼ日記」も必見だ

by ikasasikuy | 2007-09-23 11:46 | 文化人類学 | Comments(4)
2007年 09月 22日
五箇山の夜 其の壱
エンタテナーにもいろいろあるが
いずれにしろボクの周囲にはお笑い系が多い

c0120913_20153563.jpg
せつせつと東城さんを歌うカマドヤ OLYMPUS E-410


北陸系のタレントはなかなか面白い
峰コージ
アントニオ山岸
中谷クンちゃん
ケンちゃん
大西さん
ぢさん
散髪屋はん
そんななかで一歩抜きん出ているのがカマドヤだ
本名はイノクチユキオだが
そんなことは誰も知ってはいない
だれもがカマドヤと呼ぶ
なにしろ笑いを取る術を心得ている
タイミングがこれまた絶妙である
いわゆる
息と間を知っている本格芸人だ
ただし
捨てきれない自我とでもいうのか
100%アホになり切れないところがある
これは北陸系エンタテナーすべてに言えることだ
もし彼らが
大阪の地に生まれ育ったならば
まちがいなく一級品のアホになれたはずだ
返す返すも残念である

さて
アイドルの名を欲しいままにするカマドヤだが
彼には別の顔もある
たこ焼き屋だ

c0120913_11515595.jpg
実娘(右)と並んで焼きそばを焼くカマドヤ(左は愛人) OLYMPUS E-410


城端のセフレにある「たこ楽」が
彼の3店目としてこの秋オープンした
視察に訪れた日
店ではカマドヤ似の実娘と
カマドヤの愛人の3人で忙しげに立ち働いていた
それにしてもヱライ娘さんだ
父親と一緒に働くだけでもストレスがたまるのに
父親の愛人までいるのだ
「健気」という言葉だけでは足りない芯の強さを感じた

看たところたこ楽の売り上げは上々のようだ
次から次へと客が来る
城端の人たちは本当のたこ焼きがどんなものか
きっと知らないのだろうナ
まあいいか
目標427店!
カマドヤよ
がんばってくれ
くたばらないでくれ
しぶとく生き残ってくれ
そしていつまでも北陸の地に
お笑いの赤い花を咲かせ続けてくれ

by ikasasikuy | 2007-09-22 12:00 | 文化人類学 | Comments(8)
2007年 09月 21日
民宿「まいだ」
OLYMPUSのTRIP-35を持って行って
目に入るものを何も考えずにパチパチ撮りまくる

c0120913_1814402.jpg
五箇山民宿「まいだ」跡 OLYMPUS TRIP-35


まいだのばあちゃんが死んで
ボクらはまいだの向かいにある「なかや」に泊るようになった
去年はまだあった「民宿まいだ」の看板は今年
下ろされていた
なぜか屋根が新しくなっていた
歳をとれば人はだれも死ぬ
人間の生きている時間など短いものだ
それにしても
時間というのは残酷だ


TRIP-35の写り具合は予想通りだった
Rollei 35sのようにシャキッとしたヱにはならない
しかし
それはそれで面白い
ぼんやりしたところが面白い
なにしろ古いカメラだ
これだけ写ればじゅうぶんじゃないか


OLYMPUS TRIP-35で撮った写真
   ↓
various clippings "hokuriku 2007 autumn by trip35"

by ikasasikuy | 2007-09-21 18:25 | 光学機器・写真学 | Comments(4)