2010年 02月 24日
賣布神社
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阪急売布神社
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中山観音の梅林を楽しんだあと
ボクは売布神社へ向かった
売布と書いて「めふ」と読む
地元以外の人には読みにくい地名だ
め・ふ・じん・じゃ
マッコーロードの第二番目である

阪急中山から売布神社まで一駅だけ電車に乗った
あとで地図を見たら1キロちょいの距離だった
歩いた方が早かったかなぁ


売布神社へ行こうと思った理由は特にない
あえて言うなら
今までいちども売布神社へ行ったことがない
ということか
つまり
30年も宝塚に住み暮らしながら
地元の神社へ行ったことがないというのも寂しい話ではないか
しかも
阪急電鉄の駅名にもなっている神社である
鬼籍に入る前に
いちどはこの目で見ておこうと思ったのだ



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菰池
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駅のすぐ北側に池がある
菰池(こもいけ)だ
ここで釣りをしたことはないが
ヘラブナ釣りで有名だったと記憶している
ただし
いまは釣りをしてはイケナイ
宝塚の市街地にある池はどこも釣り禁止だ
なぜイケナイのかは知らないが
まあ
そういうご時世なのである

それにしても
「魚釣り禁止」と「ゴミ捨て禁止」を同列にするとは
なんという文化水準の低さだ
味噌もクソもいっしょにするとはまさにこういうことだ
高い市民税を納める市民として
情けない限りである

池を横手に見ながらしばらく坂道を上っていくと
売布神社の参道に出る


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参道
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参道には何もない
なんと寂しい参道だ
茶店もなければ土産物屋もない
だいいち
ひっとこ一人いない
まったくひと気がないのだ
と思ったら
お参りを終えたお婆さんが階段を下りてきた

 「こんにちわ」
 「こんにちわ」
 「おまいりですか」
 「はいそうです」
 「きょうはあたたかいですね」
 「そうですね」
 「ほなおさきに」
 「おきをつけて」
 「へえおおきに」

毎日お参りに来ているのだろう
少し腰が曲がり加減だが
しっかりした足取りで帰っていかれた


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階段
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さて
階段の下まで来た
そびえ立つような長い階段だ
ああ
これを上らねばならぬのか・・・
さて
上がれるだろうか

 腰の曲がったお婆さんでも上っているじゃないかという指摘もある

中山寺なら
エレベータとエスカレータで本殿までいける
足腰の弱った老人にやさしいお寺だ
ベビーカーを押してくる親子連れも楽勝だ

しかしまあ
しかたがない
そもそも社寺のスケールが違う
中山寺を100としたら
清荒神は95で
その中間にあるこの売布神社は0.03ぐらいだ
それぐらい規模が違う
なにしろ中山寺には国指定の重要文化財が四つもある
他にも県や市指定の文化財が数え切れないほどある
清荒神にも国の重要文化財が三つもある
それにひきかえ
売布神社には宝塚市指定の文化財が二つあるだけだ
(賣布社の標石と、4,100m²の社叢)


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本殿
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階段を一気に駆け上る
軽快なフットワークで駆け上がる
途中からはうさぎ跳びだ

 ウソをつくなという指摘もある

ウソだ
途中で一回休憩をした
思い切り息が切れたのだ
環状線の新今宮駅よりきつい階段だ

階段を上がると真正面に本殿がある
小さな本殿だ

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これが駅名にもなっている売布神社なのか・・・
あまりの貧相さに愕然とする

それに
本殿も無人ではないか
「おみくじ」
と書かれた小いさな小屋があるが
窓も扉も閉まっている
だれもいない

 「御用のある方は階段の下の家まで」

と手書きの札が立ててある

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おみくじを引くのに
わざわざ下の家まで呼びにいかねばならないのか・・・
おみくじはあきらよう


売布神社の由来が書いてあった

今から千三百八十余年前の推古天皇十八年の御創建で御祭神は下照姫神(大国主神の姫君)とその夫君の天推彦神・・・


要するに
下照姫神という神様が
飢え苦しむ民に
稲を植え、麻を績ぎ、布を織ることを教えたそうな
するとその後
民は豊かに暮らせるようになった
ということらしい
早い話が
「布を織って売って儲けた」
のである
布を売ったので売布というらしい
なるほど
なるほど
かしこくなった


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「賣布社」の社号標石
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売布は本来「賣布」と書くらしい
だれが書いた字なのか
ヘタクソな字の標石がある
これが宝塚市指定の文化財なのか・・・

それにしても
もしここまでこなければ
「売布」の由来は一生わからなかったわけだ
息を切らしながら階段を上がった甲斐があったというものだ

売布神社は阪急宝塚線売布神社駅から徒歩5分と書いてある
ボクは本殿まで15分かかった


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狛犬
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ほかになにもないので狛犬を紹介しておこう
売布神社の狛犬「太郎と次郎」の太郎だ
どことなく気品のある顔をしている
これが歴史の重みというものだ
持ち上げてみたが
案の定重かった
・・・ウソだ

しばらくすると
痩せた貧相なおじさんが階段を上がってきた
どこか体の具合が悪そうなおじさんだ
神妙な顔つきで手を合わせていた
お賽銭はなかった

さらにしばらくすると
中年の太ったおばさんがいい勢いで階段を上がってきた
とても健康そうなおばさんだ
パンパンと拍手を打ってなにやらお祈りをしていた
お賽銭はなかった

こうして
ぽつりぽつりと参拝者は来るようだ
しかし
だれもお賽銭をあげない
しかたがないので
財布から十六円賽銭箱に投入した

 たった16円かという指摘もある

小銭がなかったのだ


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階段を勢いよく下りる太ったおばさん
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さて
ボクも階段を下りて
次の巡礼地「清荒神」へ向かうことにした

こんどは電車に乗らず
徒歩にて清荒神を目指す
歩いていると汗ばむ陽気だ


道中
こんな神社を見つけた


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八坂神社?



清荒神にしては小さいな・・・と
よく見れば八坂神社だ
いや
もっとよく見れば
八阪神社だ
さかが「こざとへん」になっている

小さな神社だ
売布神社よりさらに小さい


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よく見れば八阪神社



プレハブのような本殿には
金属シャッターが下りていた
中になにやらご神体が祀られているようだ
賽銭箱もシャッターの中だ
せっかくお賽銭をあげようと思ったのに・・・

 そんな気もないクセにという指摘もある

鋭い
たしかに
そんな気はなかった

 賽銭泥棒にあうよりマシだという意見もある


たしかに・・・

売布神社が0.03とするなら
この八阪神社は0.001だ
いや
0.0001かもしれない

しかも
狛犬が間抜けだ

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間の抜けた狛犬「ポチとシロ」のポチ


売布神社の凛々しい狛犬に比べると
なんとも情けない表情だ

狛犬界のイシュマンブレーシーだといウワサもある

シロくんもポチくんも
そんな面構えでだいじょうぶか


どんどん
どんどん
清荒神へ向かって歩く
ところがここにきて
大きな失敗が発覚する
最短コースを歩いているつもりが
どこでどう間違えたものか
気がつくと清荒神の駅前へ出てきてしまった
曲がるところを間違えたのだ

あとで地図を見たら
かなり遠回りをしていることがわかった


さてさて
なんとか清荒神の参道へたどり着いたところで
少し眠くなってきたので寝る
このつづきはまた後日だ


 まだ続くのか
 話が長いぞ
 それに面白くないぞ
 などなど
 多くの指摘が当局に寄せられている


う~ん
つびこんちぬ~

by ikasasikuy | 2010-02-24 18:31 | 宗教民俗学


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