2012年 03月 26日
たいしゃくてん
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帝釈天
OLYMPUS E-410



帝釈天へ行ってきた
正式名は「経栄山題経寺」
つまり仏教(日蓮宗)寺院である
ここも一度は訪れてみたい場所だった

帝釈天のある葛飾柴又は
京成本線の高砂で金町線に乗り換えて次の駅だ
駅を出ると寅さんのブロンズ像が・・・
実物大だろうか
顔は実物より若干シュルレアリスムな感じだ
そうか
寅さんが死んでもう4年になるのか
早いものだ

「男はつらいよ」は
最初はテレビの連続ドラマだったが
最終回で寅さんは沖縄でハブに噛まれて死んでしまう
その結末に視聴者から抗議が殺到した
そして
とうとう映画「男はつらいよ」で復活したのである
モートルの貞の田宮二郎は実弟の清次役で復活し
素浪人月影兵庫の近衛十四郎は兵庫と瓜二つの花山大吉で甦ったが
寅さんは寅さんのまんま生きて帰ってきた
どうやって生き返ったしたのだろう

 インチキぢゃんという意見もある

映画「男はつらいよ」のシリーズは売れに売れ
第48作(1969年〜1995年)まで続いた
48連作は世界最高記録としてギネスブックにも認定されているらしい
安易に作ったテレビドラマが予想外の人気を得て
引っ込みがつかなくなって死んだ主人公を生き返らせ
もうかるので26年間も作り続けたというエクストラマンネリズムの映画だ

駅から帝釈天まではすぐだ
歩行距離にして約300メートル
老人にも優しい距離だ
しかし
残念なことに
参道を柴又街道が横切っている
信号機が設置されているとはいえ
クルマが猛スピードで通るので危険が危ない
年間何十万人ものお年寄りがここでクルマにはねられている(んじゃないかと思う)
こんど石原クンに言って参道はそのままで街道を地下か高架にしてもらおう
参道はどんなことがあってもバリアフリーでなければならない

柴又街道を超えて少し歩くと
山門越しに帝釈天がその姿を現す


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思っていたよりこじんまりした本堂だ
境内も意外なほど狭い
それはそうだ
映画「男はつらいよ」で有名になりすぎて
頭の中でイメージがふくらみすぎていたのだなぁ

 私
 生まれも育ちも葛飾柴又です
 帝釈天で産湯を使い
 姓は車、名は寅次郎
 人呼んでフーテンの寅と発します

この台詞だ
これがイメージを膨らませる原因だ
もし映画「男はつらいよ」がなかったら
訪れる人も少なくひっそりと静まりかえった寺だったにちがいない


帝釈天からさらに200mほど東へ行くと江戸川に出る
ここにあの「矢切の渡し」があるらしい
徳川幕府が設置した渡し場だが
細川たかしが歌った曲が大ヒットしたおかげで
いまでは観光スポットになっている
もちろん渡し舟も営業しているそうだ
渡し賃片道100ヱン
渡ったところは埼玉県松戸市
矢切は松戸市の地名だが今は使われていない
観光客はみなこの渡し舟に揺られながら歌うんだろうなぁ

 つれて逃げてよ
 ついておいでよ
 夕暮れの雨が降る
 矢切の渡し
 親の心に背いてまでも
 恋に生きたい二人です

もしこの歌がヒットしていなかったら
渡し舟は遠の昔に消え去っていたにちがいない

いい歌だなぁ
チューインガムの北へ消えゆく二人を思い出した



そんなわけで
帝釈天まで産湯をつかいに来たのだが
ここは温泉ではないと断られた
もちろん足湯もない
しかたがないので
せめておみくじだけでも引いて帰ろう・・・と

(なお、帝釈天は神社ではないので巫女はいない)


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吉 三十七第



結果は
残念ながら「吉」だった
つまり「スカ」だ
根津権現に続いて連続大吉を狙ったのがいけなかった
にんげん欲をかくとろくなことはない
舌切り雀の話を思い出せ
(ボクはよくばりばあさんか)


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都内とは思えない長閑さである
これもまた
鐘ヶ淵や谷中とはちがう都会らしくない東京のひとつだ


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寅さんの立像と草だんごの「とらや」



おいちゃんも、おばちゃんも死んでしまったが
「とらや」は健在であった
ゑびす屋で天丼を食べたあとで満腹だったけれど
いま思えば
やっぱりとらやの草だんご
無理にでも食べておくべきだったなぁ

柴又街道の手前の「ゑびす屋」
うまかったけどボクにはちょっとつゆが濃すぎたなぁ
食べたあと
喉が渇いて
喉が渇いて


たぶん
おそらく
もう二度と柴又へ来ることはないと思うが
来て良かった




                      "Deep Tokyo DOZ Tour" part 1

by ikasasikuy | 2012-03-26 11:02 | 宗教民俗学 | Comments(8)
Commented by じゅんた at 2012-03-26 20:02 x
ささきさん
こんにちは
私も帝釈天に行ったことがあります。
いいところかもしれませんが
>たぶん
>おそらく
>もう二度と柴又へ来ることはないと思うが
というところでした
でこのあと
どこにいらっしゃたのでせうか
東下りのお話の続きがたのしみです
うひひひひ
Commented by ゾン at 2012-03-26 20:51 x
あの寅さんが
始め連続テレビドラマやったとわ、知らなんだ!
ましてや、ハブに噛まれて一度なくなっていたとわ
ぜんぜん知らなんだ~
Commented by ikasasikuy at 2012-03-26 21:24
じゅんたさん
こんばんわ
じゅんさんもそう思いましたですか
ボクは
草だんごに少しだけ未練がありますが
もう行くことは有馬温泉
さて
東下りですが
ぼちぼち終わりなんです
いや
もうちょっとだけあります
でも
もう終わりです
え?
どっちや?
はっきりせえ?
はいはい
次はたぶん巣鴨です
Commented by ikasasikuy at 2012-03-26 21:26
ゾンさん
そうなんですよ
最初はテレビで
ハブに噛まれて死んだんですよ
そんなことも知らんかったんですか
え〜〜〜〜
それでよく寅さんファンて言えますね
え?
だれもそんなことゆうてへん?

そやった?
ほんで
こんどいつT崎行こ?

Commented by わて at 2012-03-26 23:33 x
イカザスイクイの東方見聞録
楽しく拝見しています。

私は 山田洋二(次やった?)の映画は
好きです。
光本幸子がマドンナの第一作を
弟を連れて映画館に観に行きました。
なんで弟がいたかは
謎です。

Commented by ikasasikuy at 2012-03-27 00:05
わてさん
ボクの東方見聞録
みていただいて光栄に存じます
山田洋次です
第一作と言うと・・・1969年ですね
わてさんまだ小学生ちゃうんですか
小学生の姉が幼稚園の弟連れて映画観に行ったんですね
そういえば
ボクも初めて見た映画は
一回り上の兄に今津の東映会館へ連れていかれました
姉は連れて行ってくれませんでした
映画の内容は忘れましたが
やくざがいっぱい出てきて画面が血まみれでした
見てるうちに気持ち悪なってきたのを覚えています
幼稚園か小学校低学年でした
帰りに西宮東口のラーメン屋でラーメン食べて
一回り上の兄は手羽先の唐揚げでビール飲んでました
もしかしたら兄はまだ未成年やったかも知れません
ほんで単気筒のでっかいバイクに乗せられて家に帰りました
飲酒運転やと思います
Commented by othum2bad at 2012-03-27 09:11 x
もう10年以上も前のことですが
一度だけ帝釈天に行きました

別れたとはいえ
親戚付き合いをしてた元妻
その向島のマンションで
正月を過ごす習慣でした
ある年
いちど葛飾柴又に行ってみたい
そんな話になり
車を持っている友人に声をかけ
三人で向かったのでした

ただし全員
男はつらいよ、をよく知らず
予備知識ゼロで乗り込んだのですが・・・

正月とあって
草だんごのお店も混雑しておりました
土産として持ち帰りましたが
やはり現地で味わうほうがよかったような・・・

帝釈天は
これなら穴八幡のほうが
いや成田山が・・・
などと失礼なことを放言したせいか(?)
おみくじ
やはり「吉」でした

いま思えば
向かう道すがら
空腹に負けて
ファミリー・レストランで
ランチを摂ってしまいましたが
やはり現地で食べるべきでした

実際には
予想通りたいそうな混みようで
食べて来てよかったねえ
などとそのときは言ってたのですが
葛飾の天丼やら鍋焼きうどんなど
味わってみたらよかったですね
あはははは
Commented by ikasasikuy at 2012-03-27 10:46
othum2badさん
やっぱり一生に一度は帝釈天
ですね
ボクなんかあれですよ
ちょっと前まで帝釈天を「たいしゃくてん」とよぉ読みませんでした
普通に読んだら「ていしゃくてん」ですやろ
子供の頃に見てあんまり面白いことなかった漫画で
憶えてはりますか「ジャングル大帝」ゆうのん
ありましたでしょ
ライオンが一番強いねんぞとゆうような話やった思います
そうそう
ボクの釣りの師匠のラドン氏がだいきらいな手塚治虫の・・・
ほんで
もしあの頃に
帝釈天を「たいしゃくてん」と読めてたとしたら
ジャングル大帝は「ジャングルたいたい」と読むしかしかたがないでしょ

まあ
ハナシは常に脱線するんですけど
参道の天丼はつゆが濃いです
天ぷらは食べられるんですけど
つゆが染み込んだご飯の部分がかいもくあきませんでした
神戸のよぉ行く天ぷら屋の天つゆは
うどんの汁よりは濃いですけど
ちょっと甘ぉてええあんばいですにゃけどねぇ
ああ
鍋焼きうどんにしたらよかったなぁ
ほんで
やっぱりおみくじは「吉」

い〜っしょや
い〜っしょや
(↑中田ダイマルでおねがいします)
えへへへへ



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