2013年 05月 11日
あはぢしまかよふちどりのなくこへに
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朝日に輝くいつもの漁港
LUMIX DMC-TZ30




  淡路島 通ふ千鳥の 鳴く聲に
      幾夜寝ざめぬ 須磨の関守


 なんべん詠んでも意味がよくわからない歌である
 源兼昌(みなもとのかねまさ)さんが詠んだ歌らしい
 それに源兼昌さんがどんなひとだったかよくわからないそうだ
 でもボクはこの歌が大好きだ 
 淡路島へ渡るときは
 いつもこの短歌を口ずさみながら渡る
 甲子園フェリーで渡っていた頃も
 明石海峡大橋で渡る今も
 ずっとこの短歌がボクの淡路島のテーマソングである
 他にも好きな歌はいっぱいあるが
 とりあえず今日はこの歌が一番好きだ



朝早く起きて明石海峡大橋を渡る
しお風が心地よい

 快晴無風
 暑無寒無
 新月大潮
 小魚爆釣

潮は昼の底を目指して勢いよく下り落ち
日没の満潮を目指して一気に駆け上がる
つまり
朝夕が釣れる潮だ

いつもの釣具屋で昼遊び用のアオイソメを買って
作ったばかりのヱサ箱に入れる

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うむ、いい具合だ

もしかしたら
このヱサ箱にアオイソメを入れてみたくて
わざわざ淡路島まできたような気がしないでもない
それにしてもこの箱
いい塩梅だ


午前中は東浦
朝日を浴びつつS野漁港を釣る
昔はヒラメや良型のキツネメバルがよく釣れた港だが
最近は小物しか釣れなくなった
まあ
小物釣師だからそれでいいのだが・・・

まだ潮が動いていないのか
あまり釣れない
老漁師が次々に声をかけてくる
この漁港のひとはみな気さくで話好きだ
おっちゃんもおばちゃんも
友だちみたいにしゃべってくる
AQの高い人が多いのかも知れない
今年は三年ぶりにチリメン(イワシの稚魚)が来てるらしい
ボクがハオコゼを釣ると
「刺されなよ」
「気ぃつけぇよ」
と言ってくれる
ハオコゼは汁にするといい出汁が出ると教えてくれた
脂がうまいらしい


昼前
西浦へ転戦
途中伊弉諾神宮に立ち寄る


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伊弉諾神宮本殿



まず手と口を清め
「ガシラがぎょうさん釣れますように」
と祈願する
お賽銭は大奮発して五萬円・・・

おみくじを引く
残念ながら第四十番「吉」だった
つまり「スカ」だ

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なお詳細については時間とページ数の関係で割愛する
それに巫女さんは三人もおられたが
三人とも・・(以下略)


西浦へ向かう道中
日差しがきつくなってきたので
ドラッグストアで日焼け止めを買った
これがないと火傷しそうだ


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G家漁港



G家、O崎、I波、A野と転戦
目標は二十目釣り
なにしろ小物釣師なので
釣れるものなら何でも良かった
アオイソメで山恒流ホールフィッシングもやってみた
フックサイズを落として口の小さな魚も釣ってみた
四十数年ぶりにテンコチ(ガッチョ)も釣った
ちょっとうれしかった
いつも釣れるカワハギやウマヅラハギやキュウセンが釣れなかった
コッパグレやコブダイもいる場所をやったのに釣れなかった
砂浜でもやったがキスやマゴチやヒラメは釣れなかった
アジやサバはどこへ行ってしまったのだろう
カニを釣ろうと思えば釣れたが大人げないのでやめた


さて
昼遊びも飽きてきた17時
まだアオイソメが半分ぐらい残っているが
夜遊びの部にチェンジ
と言っても
まだまだこの時期の17時は昼と同じで明るい
ロケットジグヘッド0.9gにヨアソビワームの蛍光ピンク
チップアクションで誘うと
いろんな魚がワームを突きに来るのが見える
一番面白いのはタケノコメバルだ


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タケノコメバル



この魚
東北地方ではベッコウゾイと呼ばれる
体側の文様がべっ甲に似ているソイでベッコウゾイ
発音はベッコウゾイよりベッコウズイに聞こえる
牡鹿半島の先の方では「ボイジョ」と呼んでいた
関西では30cmになると大物だが
東北では40cmは当たりまえ
50cmを越えるものもいる

岸壁のワカメなどの海藻の中に潜んでいて
獲物を見つけると猛スピードで飛びついて捕らえる
電光石火の早業だ
ネコ科の俊敏性を持っている
同じメバル属でも
捕食の仕方がメバルとはぜんぜんちがう
そして獲物をくわえると一目散に元の海藻の中に逃げ込む
合わせ遅れると藻が絡んで揚げ句の果ては藻に化ける
そういうことがなんどかあった
表層から中層
水深1m以下の浅場でも釣れた
ほとんどサイトフィッシング
この釣りだけを一日やっても飽きないと思う
こんどはタケノコメバルに的を絞って釣ってみよう

日が暮れの19時30分
まだ西の空は仄明るかったが
20cmに少し足りないメバルがきたところで
納棺・・・いや。納竿


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アブラメ/ササノハベラ/クサフグ/アカオビシマハゼ
クジメ/ハオコゼ/ガッチョ/アメフラシ
スジハゼ/アサヒアナハゼ/スズメダイ/アナハゼ
ガシラ/ギンポ/タケノコメバル/メバル



一段目右端の魚は初めて釣った
三段目左端の魚がなにかわからない・・・
大橋さんならわかるにちがいない
二段目右端は魚ではないという指摘もある

三段目左端の魚
おおはしさんにスジハゼであることを教えていただく
さらにスジハゼA、スジハゼB、スジハゼCの3種類に分かれるらしいが
そこまで詳しく知る必要はないと思われる



 【本日の釣果】
 ーーーーーーーーーーーーーー
  アブラメ・・・8
  ハオコゼ・・・2
  ササノハベラ・・・2
  アサヒアナハゼ・・・2
  ガシラ・・・7
  ウミウシ・・・1
  クジメ・・・5
  アカオビシマハゼ・・・1
  テンコチ・・・1
  クサフグ・・・1
  ギンポ・・・1
  ?アナハゼ・・・1
  スズメダイ・・・2
  タケノコメバル・・・11
  メバル・・・2
  アナハゼ・・・1
 ーーーーーーーーーーーーーー
  合計・・・・16目48匹





【特別付録】
釣れた魚のうち

 クジメ 25cm
 ガシラ 18cm
 ギンポ 27cm
 タケノコメバル 23cm
 メバル 19cm

を持ち帰って
同じ鍋で煮付けにして味を比較してみた
魚の味がボケないように薄味にした
(水10に対して酒3、醤油2、味醂1、砂糖1、生姜)

うまかった順に並べると

 ガシラ
 メバル
 タケノコメバル
 クジメ
 ギンポ

の順だった
もちろん順番は個人の感想である
味覚は千差万別であるからなんの参考にもならない


ギンポ
ムッチリとした筋肉が
「何故オレを天ぷらにしない!?」
と怒っていた
たしかにこれは天ぷらの魚だ
20年ぐらい前にも煮付けにしてダメだったことを思い出した
穴子は煮ても焼いても天ぷらでもうまいけどな

クジメ
味は悪くないが身がすこし軟らかくて締りがない
ベラに近い食感である
塩焼きか素焼きにしてポンズで食べる方がうまいと思う
アブラメも試してみたかったが
持って帰るサイズが釣れなかった

タケノコメバル
肉質はキツネメバル(マゾイ)に似ている
食感は非常に良い
味はも悪くはないが
メバルに比べるとやや落ちる

メバル
最近はいいのが釣れると清蒸魚にしていたが
煮付けにしてみるとやはりうまい

ガシラ
色といい
艶といい
カタチといい
味といい
舌触りといい
脂の乗り具合といい
身の締まり具合といい
まったく非の打ち所がない
できれば25cmぐらいのを食べたかった







おおはしさん
こんな魚です

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地味でちいさいハゼですけど
青い点々がきれいなハゼでした
アサヒアナハゼと同じポイントで釣れました

by ikasasikuy | 2013-05-11 07:04 | 釣魚小全 | Comments(12)
Commented by ladon at 2013-05-11 08:40 x
おはよごだます
お手数かけてすびばせんね
いやはや、淡路島二十種競技
賑やかなこって慶賀の至りでございますな
今日のメバル大会も
チト大物狙いになってしまい・・・
小物でもミリを競うワイワイガヤガヤが
なんか一体感があって楽しかったんですけどね・・・
何とか雨もマシになってきそうなんで
グワンバッテ、小メバルでも楽しんできます
Commented by ikasasikuy at 2013-05-11 08:49
ladon師匠
おはよごだます
あはぢしま
朝から晩まで楽しめました
伊弉諾神宮も
いつも東浦から西浦へ転戦する道中
横目で見ていましたが
立ち寄ってガシラ爆釣祈願してきました
巫女さんは島の農家の娘さんでしょう
洗練されてはいませんが
色が黒くて素朴なカンジがとてもナニでした
ほんで
食味はやっぱりガシラが最高峰でした
メバルも捨てがたい
釣り味の方は
タケノコメバルが断トツに面白いです
こんど
管理釣り場用トラウトロッド一本で
朝から晩までヨアソビワームでやってみる所存です
友が島の島流しごくろうさまです
今夜は雨は上がるでしょう
少し冷え込みそうです
ぬくぅして行ってください
えっちゅうとみやま大会に次ぐ「連覇」期待しています

Commented by ladon at 2013-05-11 09:15 x
ありがとごだます
ぬくたうして出かけます
連覇の期待は薄そうで
雨上がりの気体となって
雲散霧消となる予報ですは
あはは
あはは
Commented by ikasasikuy at 2013-05-11 09:33
ladon師匠
ぼちぼち出陣ですな
連覇はリミットメイクから
ばんがてくだはい
うふふ
うふふ

Commented by ゾン at 2013-05-11 19:10 x
タケノコメバルおいしいですか。
確かに最近タケノコメバルはよくとれます。
イカさんのいってたようにジグヘッドでサイトのつりがおもろいです。
泉南では20cmオーバーはなかなかつれませんので
逃がしてましたがこんどは一度食べてみます
Commented by ikasasikuy at 2013-05-11 19:40


ゾンさん
今日は修行休みやったん?
タケノコメバル
クジメよりはうまいですけど
煮付けやったらガシラかメバルをオススメします
ほんで
20cm未満はリリースしましょう

泉南のタケノコメバルというと
田尻とか岡田とか樽井ですね
大きいのが釣れへんのはゾンさんが小さいのしかよぉ釣らんからです
淡路島でも20cmアップはやっぱり少ないです
11匹釣って20〜23cmが4匹です
同じサイズならガシラより遥かにパワーがあるし釣って面白いです
梅雨入りしたら
また狙いに逝こうと思います

Commented by おおはし at 2013-05-23 12:02 x
ご無沙汰しております。
色々十目以上釣りで面白そうですね。
ナントカアナハゼですが、写真がかなり小さ目なので
ちょっとわかりませんです。
パッと見だとアナハゼよりはクツワハゼかホシノハゼ
などのハゼの仲間に見えますが…
Commented by ikasasikuy at 2013-05-23 13:14
おおはしさん
こんにちわ
ヱサ釣りをすると
日頃見ない小さな魚が釣れて面白いです
ほんで
?アナハゼの写真
拡大してページの最後に貼っておきました
クツワハゼではないような気がします
なんという魚でしょう?
Commented by おおはし at 2013-05-24 12:49 x
大きい写真ありがとうございます。
青い星が見えていませんでした。
スジハゼ良いと思います。
少し検索してみるとスジハゼAとかスジハゼB,C
のように更に3種に分かれる可能性もあるようですが
この辺の知見がないので、スジハゼまでで。
Commented by ikasasikuy at 2013-05-24 15:02
おおはしさん
スジハゼ
はじめてきく名前ですが
画像検索すると
まさにスジハゼですね
一見地味なハゼに見えますが
青く光る点々がマダイのようでゴージャスです
今回もご教授ありがとうございました
またよろしくお願いします

Commented by おおはし at 2013-05-24 17:42 x
確かにマダイの点々のようで綺麗ですね。
ホシハゼって名前にしてあげたいぐらいですが、和名ホシハゼ
と言う別種がいて、そのハゼの星もまたきれいです。
ハゼではほかにもイトヒキハゼや汽水のゴクラクハゼなどに
青い点々が見られます。
いずれもパッと見は地味ですが美しい魚だと思います。
Commented by ikasasikuy at 2013-05-24 18:29
おおはしさん
こないだドンコが何匹か釣れて
家の水槽に入れたかったんですが
大きくなるとニッポンバラタナゴが犠牲になりそうでやめました
何回かハゼ科を飼いましたが
美しいけど飼うのはむずかしい魚です


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