2008年 02月 08日
藤沢周平作 「喜多川歌麿女絵草紙」を読み終えて もういちどウタマロを観に神戸市立博物館へ行く OLYMPUS E-410 with Zuiko 35mm F3.5 Macro 藤沢周平は 天才絵師歌麿を普通のおっさんに仕立てた つまり 過去の栄光にしがみつき 新進気鋭の「写楽」の奇才ぶりに怯える 筆の痩せた老絵師に だ 人生の栄枯盛衰をわかり易い方法で描いたのだ 北斎が広重を気にしつつ 惨めな晩年を過ごしたとする 氏のデビュー作「溟い海」と同じ構図だ こういう手法はバーナードーショーでも思いつかないだろう 展示された絵を観ていると 藤沢周平が思い描いた歌麿像と 浮世絵史上最高峰の美人絵師である歌麿が ぴったりと重なり合ったり 遥か何万光年の彼方へ遠ざかったりする 心を無にして絵を観るのもいいが こうやって 人間臭い一面を暴き立てつつ浮世絵を眺めると これがまたじつに面白いのである
by ikasasikuy
| 2008-02-08 22:25
| 芸術総論
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